キリスト教と美術

日 時 平成30年12月8日(土)10時〜12時
 キリスト教の宗教画は観賞用ではなく、信仰の手段としての
絵画ですが、それらについて例を示しながら古代からバロック
までのお話しがありました。
 古代ギリシャの詩人ホメロスは地中海の色を「ぶどう酒の色」
と表現したそうですが、キリスト教は「金と青」を聖なる色として
高い評価を与えていたようです。
 因みにギリシャでは「黒・赤・黄・白」が主流で、青はオリエント
(エジプト・ペルシャ・・・)の宝石の象徴だった由。
 美術は目に見えるものではありますが、キリスト教の美術はその裏側に何があるのかを読み解くことも必要です。(「ハト」が描かれておれば、「精霊」を表現している。)
 今回は具体的な例としまして、フラ・アンジェリコ(1387〜1455)の「受胎告知」を取り上げられましたが、これはマリアという人間が精霊によって神の子を身ごもる瞬間を描いたものです。
 絵画の中味は、右側にマリアが、その左に神から遣わされた大天使・ガブリエルが居て、「精霊があなたに降り、身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。」と告知しているところです。
 また絵画の左端にはアダムとイブの楽園追放が描かれていて、私達の罪の原因を表現しており、左上には神の手と精霊(ハト)も配されています。
 着色も、「赤=人間の色(生命の原理)」と「青=天上の色(聖なるもの」)をメインに使っています。