日 時 2019年3月11日(月)13時〜15時30分
古代ギリシャの英雄叙事詩「オデュッセイア」と日本の古典で
ある幸若舞「百合若大臣」に多くの類似点があるという議論が
あることから、これらについて解説をしていただきました。
まず「オデュッセイア」の概要ですが、古代ギリシャの二大英
雄叙事詩のひとつで「イリアス」と並びホメロスの作とされてい
るものです。
物語はトロイア戦争の後日談で、主人公・オデュッセウスは
木馬の計略により、トロイアを滅ぼした英雄です。
しかし戦争後10年におよぶ放浪の末故郷に帰り、留守中に妻に言い寄っていた求婚者たちに報復するというものです。
また「百合若大臣」の概要は、蒙古襲来の時に討伐軍の大将に任命された百合若大臣は遠征(海戦)で勝利を収め、その帰途に孤島で休息しますが、この時に部下に置き去りにされてしまいます。
そして3年後に釣り人に救われて帰国し、新年の競射会で名乗りをあげて部下を処罰し、妻と再会し上京して父母とも再会するというものです。
なお幸若舞とは、室町時代に流行した語りを伴う舞のことで、軍記ものが多いとのことです。
これらの共通点は「流浪の英雄が帰国して復讐する」「クライマックスは弓の競射会において本人であることを実証する」等の内容があるとのことでした。(類似性には賛否両論がある由)