日 時 2019年3月28日(木)13時30分〜15時
17世紀のオランダを代表する画家・フェルメールの作品が
6点も日本にやってきました。
彼の絵画の魅力は独特の光の表現であったり、いわくあり
げな眼差しを交わす人物表現にあるのではと推察いたします。
今回は展示作品を中心に解説をしていただきました。
最初にご紹介いただいたのは若き日のフェルメールが描いた
宗教画「マルタとマリアの家のキリスト」で、働き者のマルタ(姉)
となまけ者のマリア(妹)、そしてキリストの3人が三角形の構図になっており、安定感があります。
次に風俗画「取り持ち女」で、娼婦に客が言い寄っているところを取り持ち女が見ている絵ですが、もう一人こちらを見ている人が登場していて、これは我々鑑賞者へのナレーターである由。
その次は「リュートを調弦する女」「手紙を書く女」で、前者は女性が調弦をしながら帰っていく恋人を見ているのではとのことで、これは画中の楽譜(この頃は恋人同士のプレゼントに使用)で推測できる由、また後者も女性が手紙を書いていますが、背後にかかっている絵からやはり恋人宛てであろうとのことでした。
そして「恋文」ですが、この当時は丁度郵便制度が確立された時で、当然恋人同士がこれを使わない手はないということでしょう。
また「手紙を書く婦人と召使い」(写真)ですが、フェルメール晩年の作品で、最高傑作であると言われており、召使いが意味ありげに窓を見ている姿は我々にいろんな想像を与えてくれますとのことでした。