実在のレストランがモデル

日 時 2019年11月10日(日)14時〜15時30分
 小説「風よ僕らに海の歌を」にまつわるお話しがありました。
 この小説は宝塚に実在するレストランがモデルで、主な舞
台は宝塚の他、神戸や西宮です。
 あらすじは、第2次世界大戦時に神戸沖にいたイタリア海軍
の特務艦「リンドス号」で、乗組員の食事を作っていた兵士:
ジルベルト・アリオッタが主人公です。
 彼は任務中でしたがイタリア政府が突然降伏したため祖国
へ帰る道を断たれ、日本でイタリア料理店を始めます。(写真は、モデルのアモーレ・アベーラ)
 戦争に翻弄されながら激動の時代を生き抜いた奇跡の物語です。
 冒頭の「人生で、予想できることが、一つある。それは、予想もしないことが起こることだ。」が印象に残る小説でもあります。
 その中から、今回は前半の重要な舞台のひとつである武田尾温泉(西宮市と宝塚市の境)の知られざる歴史を中心としたセミナーでした。
 武田尾温泉の歴史は古く、1600年の関ヶ原の戦いで敗れた石田側の落武者が発見し、木こりとなって隠れ住んだ所で、その中のマルキ旅館を創業したのも落武者の子孫である由。
 主人公は戦争のキズを癒すため、ここに療養に来て、旅館の娘さんと恋に落ち、当時では珍しい国際結婚をして、終戦後に宝塚でイタリアンレストランをオープンすることになっていきます。