日 時 2020年1月16日(木)14時〜15時30分
今回の関西文化に育まれた文学は、つかこうへいの「蒲田行
進曲」が取り上げられました。
つかこうへいは、1948年に熊本県に生まれ、本名を金峰雄
(キム・ボンウン)といい、大韓国籍の小説家です。
この小説は、銀ちゃん(人気俳優・中卒だが実力でスターに)、
ヤス(大部屋俳優・大卒のインテリ)、小夏(元人気女優で銀ちゃん
と同棲中)を軸に展開するものです。
銀ちゃんに某女学院卒のお嬢様との結婚話しが持ち上がり、同棲中の小夏をヤスに下げ渡します。
ヤスは元々小夏を好いていたのでこれを引き受けますが、この時小夏はすでに妊娠していました。
折しも銀ちゃんを主役(土方歳三役)とする「新選組」の撮影が始まり、ヤスは銀ちゃんを際立たせるためと小夏の出産費用を稼ぐため、池田屋事件で土方に斬られる長州藩士を演じ、30段の階段を転げ落ちる危険な役を引き受け・・・・・ (はたしてヤスの運命は?)
この作品は、1982年に松竹が映画化(風間杜夫・平田満・松坂慶子)され、1983年の日本アカデミー賞では、最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀主演男優賞・最優秀主演女優賞・最優秀助演男優賞とほぼ総なべにした他、宝塚歌劇でも1996年・2008年・2010年に公演されました。
そして小説そのものも、第86回直木賞を受賞いたしました。