日 時 2020年2月12日(水)13時30分〜15時
古墳に立てられた埴輪は円筒埴輪の他、家、武器・武具類、舟
動物や鳥、人物などを形づくった形象埴輪があります。
このような埴輪の意味する事柄について、記紀(「古事記」・「日本
書紀」)を引用しながらのセミナーがありました。
まず「円筒埴輪」ですが、これは古墳という聖域を邪悪なものから
守るバリケードで、墳丘や堤に立て並べるもので、数ももっとも多い
由です。
また「形象埴輪」ですが、前述のごとくさまざまな形のものを模した埴輪で、墳丘の頂上や外堤に並べるものだったそうです。
さて、埴輪の起源ですが、「日本書紀」垂仁天皇条に・・・
「天皇の叔父が亡くなり、その墓に近習の者を集めて生きたまま陵墓のまわりに埋めましたが、その人々はなかなか死ねず昼夜泣きうめき、天皇はこの泣きうめく声を聞いて心を痛めました。
そこで野見宿祢(出雲出身者)に相談しましたところ、彼は出雲国の土部(はしべ)を呼びよせ、土でいろいろな物の形を作らせてこれを殉死の代用にするよう進言いたしました。」
・・・という経緯があるとのこと。(実際埴輪の出現は弥生時代で、上記は後の創作とも・・・)
埴輪の意味するものですが、たとえば「人物埴輪」の場合、貴人・武人・楽人・舞人・力士・農民・・・等々を表しているものだとかで、その意味は「もがりの再現説」「芸能奉納説」「葬送行列説」「神事の饗宴表現説」「被葬者の生前表現説」「死後の世界表現説」等々、諸説がある由でした。