日 時 2020年12月3日(木)10時〜11時30分
現代と異なる中世の結婚や家族について、鎌倉時代の源頼朝と
北条政子夫妻の例を中心にお話しがありました。
頼朝と政子については、「真名本曽我物語」巻第三によれば、
「・・・兵衛佐殿(頼朝)は北条の妃(政子)に浅からぬ御志に依って
夜々通はんとせし程に、姫君一人御在す(女の子が生まれた)・・・」
とあり、政子は父(北条時政)が決めた人には結局嫁がず、いわゆる
出来ちゃった結婚となり、父もしかたなく了承しています。
当時はこのように結婚は、単に当人同士の合意のみでは成立せず、
親の関与と了解が必要だったようです。
またこの頃の特徴としましては・・・・・
●夫方が女を迎え入れる。(嫁取婚、まだ婿取婚もあった)
●結婚後は夫方に居住または新居に居住した。
●女は夫方に入るが、実家の姓のままである。
因みに当時の名乗りは、(1)氏<うじ>、(2)姓<かばね>、(3)名字<みよじ>があり、その定義は、(1)同一祖先からの団体名<天皇から賜る>、(2)各々の氏の地位や序列を示す<氏とセットで用いられた>、(3)住所等に因んで名乗られたもの<自称>だそうです。
なお家族のかたちは、分割相続では先細ることになるため、嫡子単独相続がメインになってきた時代であった由でした。