日 時 平成24年3月23日(金)
場 所 芦屋公民館
講 師 小林繁樹氏(民族学博物館教授)
オセアニア(ミクロネシア、メラネシア、ポリネシア等)は
たいへん島の多いところですが、そこに暮らす人々の生
活を参考にグローバル化が進む現代の我々の暮らしを
考えてみるというセミナーでした。
オセアニアは、島と島とを大型遠洋航海カヌーでむすび
石貨(写真)や貝貨と呼ばれる貨幣や貴重品、実用品、食料品等が贈物(物々交換的な貿易も)によって人の手から手へ渡るという経済活動が最近まで主流でしたが、各国が次々と独立していきますと国際的な観点から貨幣経済へと移行しつつあります。
しかし今までの贈物交換活動は、人々が物品等をやりとりすることによっての経済活動のみならず、同時に安全・平和・友好の輪を広げるという効果も生み出しています。
すなわち「人は一人で生きていけなく、人との関係の中で生きていくものであるから」ではないでしょうか。
人と人との関係は効果や役割、価値があいまいな贈物(日本では中元、歳暮のたぐい)で取り持つ方が案外うまくいくのかもしれません。
たとえば日本は食料自給率が低いと言われていますが、他国と顔の見える交流をすることによって、解決もありうると示唆されたようにも感じました。