建築空間と哲学

日 時 平成24年5月19日(土)
場 所 関西学院大学
講 師 細見和志氏(関西学院大学教授)
 建築空間を、工学的視点・美的視点・経済的視点・歴史的視点
の他に、哲学的視点で考えることもあるようです。
 そもそも哲学とは、ギリシャ語でフィロソフィアとよばれ「フィロス
=愛・ソフィア=知」のことで、真理を探求することだそうです。
 その思考は当たり前の事を根本的に問い直すことで、宇宙とは、
正義とは、幸福とは、そして住むとは、建てるとは・・・何かを考えることです。
 そこで下記著名人の空間論・建築観の紹介がありました。
<1>ヴァレリー(詩人)からは、その作品「エウパリノス(建築家の名)」から①沈黙の建築(軽蔑にしか値しない)、②語る建築(何のための空間)、③歌う建築(感動を伝える建物)のお話しがありました。
<2>ハイデッカー(神学者)からは、その講演「建てる・住まう・考える」から住むとは死すべき人間が大地の上に、天空の下に、神的のものの前に存在すること・・・と述べられたことを。
<3>バシュラール(哲学者)からは、その作品「空間の詩学」から家とは外部から守る内部であることが。
<4>ボルノー(教育学者)からは、その作品「人間と空間」から空間とは居場所・方位・境界・神聖さ等の特権的区分であるとする解説がなされました。
 まとめとしまして、家屋は世界の中心であって、自己自身に戻ることの出来る空間であるとされました。