バロックから古典派へ

日 時 平成24年6月15日(金)
場 所 西宮大学交流センター
講 師 宮下朋樹氏(武庫川女子大学講師)
 音楽界も18世紀に入りますと徐々に宗教音楽から宮廷音楽
への傾斜が見られます。
 バッハやヘンデルが活躍したバロック時代は、調和や均整の
とれた様式や秩序を理想としてきましたが、人々はこれに楽しみ
をも求めるようになります。
 そこに現れたのが古典派と呼ばれる人たちで、代表する作曲家としましては、ハイドン・モーツアルト(写真)・ベートーベンを挙げることができます。
 この時代の作風は、ただ単に明るく楽しいだけではなく、優雅さも兼ね備えていました。
 ハイドンの交響曲第94番「驚愕」は、美しくて楽しませてくれる曲ですが、静かな旋律の途中に驚きの音を挿入するというウイットにとんだ側面があります。
 モーツアルトも美しく明るい曲が多くて短調の曲は少ないのですが、これがかえって目立つ結果にもなり、交響曲第25番や第40番を好んで聴く方も多いのではないでしょうか。
 ベートーベンはこれら2人の先輩を手本にしつつも心の中を表現するため、あふれるほど豊かな情感を盛り込んだ作風を心がけたと思われます。
 ピアノソナタ「月光」とモーツアルトの「ドン・ジョバンニ」の騎士長の死が似ているのは偶然でしょうか。