古典派からロマン派へ

日 時 平成24年6月22日(金)
場 所 西宮大学交流センター
講 師 宮下朋樹氏(武庫川女子大学講師)
 音楽におけるロマン主義(ロマン派)時代は、バロック→古典
派の次に来る時代で、ほぼ19世紀全体および20世紀初頭に
及んでいます。
 ロマン主義を語るには、ローマ帝国時代に遡らなければなり
ませんが、当時ラテン語には文語の他、庶民の話し言葉として
の口語があり、これを「ロマンス語」と呼んでいたことに由来しています。
 ロマンス語で書かれた騎士物語には「愛」と「夢」があり、理性より感情を好まれました。
 たとえば「森」はロマン派にとっては特別な場所で、現実の悲惨と人間社会のわずらわしさが届かない所で、憧れと恐怖が同時に存在するものでした。
 ウエーバーはドイツの黒い森をベースにしてオペラ「魔弾の射手」を作曲し、その序曲では幕開けに古くから狩猟に使われていて森を連想させるホルンを使用しています。
 またシューマンの「森の情景」は、森の奥深さを表現しているように聴こえますし、反対にシューベルト(写真)の歌曲「魔王」は、森の恐怖をドラスチックに描いているように思われます。
 内面的な曲ではショパンの「雨だれ」がありますが、死を予感させるようにも聴こえるのはなぜでしょうか。
 ロマン派とは、心の内面世界を重視したものと言えるようです。