日 時 平成24年7月5日(木)
場 所 西宮大学交流センター
講 師 津上智実氏(神戸女学院大学教授)
音楽の集大成とも言われるオペラの誕生につきまして、解説を
していただきました。
オペラは16世紀の終りにイタリアのフィレンツェにおいて産声
をあげ、17世紀前半にヴェネツィアで大きく花開きました。
フィレンツェは、アルノ川沿いの美しい街で、当時は一応共和制
をとっていましたが、実質はメディチ家が支配していました。
この頃フィレンツェでは古代ギリシャ文化の評価が高まっていまして、古代への回帰すなわちルネサンス(再生)運動が盛んでしたが、音楽は彫刻や絵画と違って形が残っておらず、そのジレンマがありました。
そこでメディチ家では知識人のカメラータ(仲間や同志の意)による「アッカデミア」を立ち上げ祝祭時等に行う音楽イベントのデザインをさせました。
あのガリレオ・ガリレイの父親もメンバーの1人でした。
当初インテルメーディオ(幕間劇)を制作しますが、ついに1598年にオペラ「ダフネ」が出現します。
しかしこのオペラは台本しか残っておらず、楽譜は現存していませんので、今日では1600年に上演された「エウリディーチェ」(ギリシャ神話が題材)が最古のオペラとされています。(写真は当時の台本の表紙)
因みにこのオペラは、フランス国王アンリ4世とメディチ家のマリアの結婚式に初演されたのだとか。