オペラの本当の産みの親

日 時 平成24年7月12日(木)
場 所 西宮大学交流センター
講 師 津上智実氏(神戸女学院大学教授)
 初期オペラの父・モンテヴェルディについてその功績と作品に
ついて解説をしていただきました。
 モンテヴェルディは16世紀後半に楽器の街・クレモナに生まれ
若くしてマントヴァ宮廷のヴィオラ奏者となり、楽長まで務めます
が、公爵家のゴタゴタのあおりでクビになってしまいます。
 しかしすでに名声を得ていましたので、1年ほどの浪人でヴェネツィアからお誘いがあり、サン・マルコ聖堂の楽長に就任いたします。
 今回ご紹介いただいた作品は、彼が最初に手掛けたオペラ「オルフェオ」(1607年上演)です。
 これはギリシャ神話を題材としており、太陽神アポロンの子であるオルフェオ(音楽の神)がニンフ(妖精)のエウリディーチェに恋をし、結婚することになりますが、彼女は毒蛇にかまれてあの世へ行ってしまいます。オルフェオは彼女を連れ戻すため冥界へ行き、「地上へ出るまでは振り返らない」を条件に助け出しますが、これを励行できず1人で戻ってきます。神話ではその後巫女らに体を八つ裂きにされ、川へ流されるのですが、このオペラでは父・アポロンが天上へ連れ帰るというフィナーレになっています。
 この作品は独唱・重唱・舞曲等を配し、40を超える楽器を使用していることから、現在のオペラの産みの親と言われる所以です。(写真は第1幕オルフェオのアリア「天上のばら」の場面です)