印象派ってなぁに

日 時 平成24年8月28日(火)
場 所 グランキューブ大阪
講 師 三枝成彰氏(東京音楽大学教授)
 印象派とは、19世紀末のフランス絵画に出てきた新しい作風
をもった画家たちやその作品のことを評論家が名づけたもので、
それまでの美術は写実主義であって、目の前の事実をいかに
正確に写し取るかでありました。
 しかし写真が発明されると写真にまさるリアルはなく、結局
画家たちはリアルを超えた新しい表現をする必要に迫られ、印象派を生む土壌になります。
 その印象派運動の流れから出てきた新しい志向を持った音楽家たちとその作品を印象派の音楽と呼ぶようになり、その代表がドビュッシーとラヴェルでした。
 ドビュッシーの特徴は、和音が並行に働くことであり、全音階が使用されていること等々だそうです。
 たとえば後者の場合、通常の音階は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」ですが、これですとミとファ、シとドの間は半音階ですので、これが「ド・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ#・ド」となるのだそうです。
 講義の後、小林研一郎氏指揮・日本センチュリー交響楽団による、ドビュッシーの「小組曲」やラヴェルの「ボレロ」等を聴かせていただきました。
 印象派の音楽を聴くと鮮やかに自然の情景がイメージでき、ソナタ形式のような基本に基づかないアラベスク模様を連想させる志向を秘めたものでした。