播磨における古代寺院

日 時 平成24年9月9日(日)
場 所 大手前大学
講 師 梶原義実氏(名古屋大学)
 日本初の寺院・飛鳥寺の造営が6世紀末に開始されますが、
畿外の諸地域では7世紀後半から8世紀前半にそのピークを
迎えます。
 寺院を建てるには高度な技術と莫大な資金が必要ですが、
それを乗り越えて地方でも建立が進みます。
 ただその目的となると、建て方や見せ方によって幾分異なるようで、立地を調査された研究結果を、播磨を題材にご説明くださいました。
 ①官道隣接型:山陽道などに隣接して造営されたもので、主として外国使節へのPR用のもの。
 ②水運型:河川からの視点を意識したもので、水路を使用する人々へのモニュメント的なもの。
 ③眺望型:丘陵部に建てられたもので、支配地の民へのアピール用のもの。
 ④聖域型:丘の尾根筋などに造営されたもので、神聖さを意識したもの。
 ⑤山林寺院:深山幽谷の中に建立したもので、僧侶達の修行用のもの。
 ⑥村落内寺院:集落や小地域内における純粋な信仰用のもの。
 ⑦開発拠点型:水田開発が進められた場所に建てられたもので、開発行為のシンボル的なもの。
・・・・・等々、多岐にわたっています。