「元町初夏」から見るファッション

日 時 平成24年9月15日(土)
場 所 大手前大学
講 師 百々 徹氏(神戸ファッション美術館)
 「元町初夏」とは、版画家・川西 英氏が戦後間もない時期に
発表した神戸元町とそこを洋服を着てめかしこんだ男女が闊歩
する復興の街を描いた作品です。
 ここにはジュラルミン(飛行機の素材の活用)のモダンな店舗
と洋装化した人々が、戦後日本の変遷を物語っています。
 女性は赤い色を好んで選び、男性はかっこいい背広を着ています。(昭和24年の作品)

日本のファッションが急激に洋装化したのは戦後のことで、
それまではやはり和服が主だったようです。
 因みに、大正14年に銀座を歩く人達の服装を観察した
「東京銀座風俗記録」によりますと、女性の99%が和装で、
洋装はただの1%しか居なかったとのこと。
 これが戦後ディオールがデビュー(昭和22年)し、三越で
ファッションショーが開かれる(昭和25年)等により、急速に
洋装化が進んだとのことでした。(写真は昭和初期の洋装)