日 時 平成24年10月17日(水)
場 所 ルナホール
講 師 安来正博氏(国立国際美術館)
先日から開かれている「エル・グレコ展」を記念して彼の生涯
とその作品についてのご説明を拝聴いたしました。
「エル・グレコ」とは「ギリシャ人」という意味だそうで、本名は
「ドメニコス・テオトコプーロス」と言うのだとか。
彼は1541年にクレタ島(現ギリシャ領、ミノア文明発祥の地)
で生まれ、ベニス〜ローマでルネサンスの写実性等を学んだ後、1576年にスペインに渡りました。
以後 トレドに居を構え、73才で他界するまでスペインで過ごしました。
またギリシャ人でありながら、ベラスケス(フェリペ4世の宮廷画家)やゴヤ(カルロス4世の宮廷画家)と並んでスペイン三大画家とも呼ばれました。
今回の展示物から注目の作品をいくつかご紹介をいただきましたが、たとえば肖像画では「白貂の毛皮をまとう貴婦人」等、聖人像では「福音書記者ヨハネ」や「聖母を描く聖ルカ」等を、宗教画では「盲人を癒すキリスト」等々でした。
また、ダ・ヴィンチやフラ・アンジェリコ等も描いて有名な新約聖書の「受胎告知」も彼の作品2点を展示しているので、ぜひ見比べてほしいとのことでした。(写真は2点のうちの1点)
彼の絵の特徴は、①ありえない不自然な表現、②明暗の極端さ、③色彩の異質等ではないでしょうか。