近代に女性天皇が排除されたのは・・・

日 時 平成24年10月24日(水)
場 所 西宮大学交流センター
講 師 河西秀哉氏(神戸女学院大学専任講師)
 現在の天皇制下では、女性は天皇になることが出来ません。
 過去の日本には、女性天皇が古代に8代6人(推古・皇極・
斉明・持統・元明・元正・孝謙・称徳)と江戸時代に2人(明正・
後桜町)が存在していました。
 それが明治時代になって可能性が排除されてしまいます。
 明治の皇室典範は「大日本国皇位ハ祖宗ノ皇統ニシテ男系ノ男子之ヲ継承ス」と定めました。
 この定めにあたっては、いろいろと議論がなされ、賛成派は「男を以て尊しとなし、之を女子の上に位せり」「古代の女帝と立憲国の女帝は名を同ふして実を異にする」(島田三郎)等の意見があった一方、「皇婿一人で以て、内閣の意見を左右し得る者にあらず」「万一女帝を立てざる為めに、皇統の絶なんとするあらば如何」(肥塚 竜)等の意見もあって、結局表決を取ったところ賛否同数となり、議長決済によって前述の決定が行われたとのこと。
 折しも平成の世になって、「女性宮家」の創設案が議論されていますが、やはり賛否両論があり、その行く先は混沌としております。
 この議論は、①天皇の公務の増加、②皇室の男子の減少傾向 等々による現実も大きく影響しているところでしょうか。