さびた新聞

今朝早く、ずっと昔の新聞を見つけた

押入れの奥のダンボールの中に入っていた

巨人の篠塚が、猛打賞を打っていた

さびた新聞が、リアルの時間だったころ、

好きだった女の子のことを想いだした

その子は、皆と違って、僕のことを一人の男子として扱ってくれた

バイキン扱いも、ゴミクズ扱いもしなかった

先生もしたのに…

僕が学校に行かなくなって、しばらくした頃、

近所に住んでいた、サッカー部の男の子の家に、

彼女が行ったって聞いた

登校拒否の僕の家には一度も、

来てはくれなかった

卒業式の日も、

僕は布団の中で待っていた

最後には布団をかむって、泣いた

20年後、僕は別の土地で、

別の子を好きになっていた

その子と話をするだけで、

ときめく

告白なんて、

出来ないし、

受け入れてもらったとしても、

フラれても、

僕は泣いてしまうだろう

イチローが、大リーグでまた記録を作ったんだそうだ

今朝の新聞を読みながら、

僕は泣いてしまうだろう

そして、その新聞は、

さびるまで、

どこかで眠るのだろう