枚方・まぼろしの地酒〜「重村酒造醸」〜

これまでの「バスのってスタンプラリー」のおさらいの合間をぬって・・・
再び、〜枚方の穂谷魅力発見・第4回です〜

(%CD%)枚方・穂谷の豊かな自然の中で育まれた地酒

−生駒山系の山里に湧き出る良質な地下水
−冬の厳しい寒さ
−眼前に広がる棚田風景

ここ枚方・穂谷地区は、都会の喧騒とは無縁のおだやかな時が流れています。

この穂谷の豊かな自然の恵みを生かして、江戸時代から現在にたるまで、この地で
ずっと酒造りをされているのが「重村酒造醸」さん。

重村さんのところでは、「天然醸造」(土地固有の気候風土の中で自然に任せてじっ
くりと熟成させる製法)にこだわった酒造りをされています。

(%CD%)江戸の昔から脈々と受け継がれてきた地酒

江戸時代、特に、枚方を流れる天の川流域は良質の酒米に恵まれていました。

天の川を往来する三十石舟に小舟で漕ぎ寄せ、船客相手に、「さぁ
さぁ、飯くわらんかっ!酒くわらんかっ!なんじゃい、銭がのうて、
ようくわらんか?」と威勢の良い売り声をかけた「くわらんか舟」は有名で、江戸当時
の小説や浮世絵にも登場し、広く親しまれた東海道の名物でした。

1970年代には、枚方市内に5つの造り酒屋が存在しましたが、1990年代半ばまでに
重村酒造を残して全て廃業してしまいました。

現在、枚方に残っている酒造は、重村酒造醸さん一蔵のみです。

(%CD%)重村酒造さんのこだわり

■お米へのこだわり■

重村さんの酒造りは、お米にもこだわりがあります。

酒米の中では最高峰とされる「山田錦」。
栽培が難しい上、価格が高いのが難点である山田錦ですが、重村さんのところでは
この山田錦を自作田で減農薬栽培しています。全てのお酒にこの山田錦が使われて
いるわけではありませんが、「自作田で栽培した山田錦100%の大吟醸」(限定品)も
造られているそうです。

また、(大吟醸酒の場合)自作田で栽培した山田錦を50%以下に精米して、より上質
なお酒を目指しているそうです。ちなみに、私たちが家庭で食べている米は、精米歩
合90%程度の白米ですが、清酒の原料とする米は、一般的に精米歩合75%以下の
白米が用いられています。精米歩合の数値が小さいほど「雑味」が減る傾向にある
そうで、精米度が低いほど上質なお酒ができるということです。

■製造過程へのこだわり■

重村さんの酒造りは、お酒の製造工程にもこだわりがあります。

もろみを絞る過程では、専用の酒袋を用いて絞り出す「袋しぼり」を取り入れています。

大吟醸酒などの特別なお酒を造る過程で、この「袋しぼり」を取り入れている酒造さん
もあるそうですが、重村さんのように一般酒でも「袋しぼり」を取り入れているところは
全国でもたいへん珍しいということです。

専門の酒袋を使った「袋しぼり」と「(酒)かす抜き」は、非常に手間がかかる作業なの
で大量生産はできません。生産量は少なくても、一滴一滴に魂を込めていらっしゃる
のが重村酒造さんです。

このようにして手塩にかけて造られたお酒は「富士霞」、「穂谷」、「淀菊」といった銘柄
で販売されているほか、添加物を一切使っていない自然味噌も販売されています(味
噌の販売は穂谷の重村酒造でのみ)。

(%CD%)お酒の背景にあるもの

重村さんは、小売店を通じての販売のほか、酒蔵での直売も重視
されています。それは、直接、消費者さんと商品のやりとりを行っ
て、より良いお酒を造り続けていきたいという思いがあるからだそ
うです。

今年も、11月から始まる酒造り。

酒造りの間は、おちおち眠ることもできないと語る重村さん。
「毎年1年生。何年やっても卒業できませんわ。」という真摯な姿が印象的な酒造さん
です。

人やその土地の自然環境にやさしい素材を使っているというだけでなく、「心を込めて
お酒をつくる」、「お酒が生み出される土地や人を大切にする」ということを大事にしてい
る重村さんの思いが、ここのお酒を魅力的にしているのかもしれませんね。

(%CD%)枚方地酒を心底味わいたいなら、10月25日に穂谷へGO!

スーパーに行って、缶やペットボトル入りのお酒を大量に買って、マイカ
ーに乗って一直線に家に帰る・・・

そこは、つくり手の存在やお酒の背景にある物語、売る側とのコミュニケ
ーションが完全に失われた世界。

「お酒を買う、お酒を飲むって、こんなことだっけ?」

ふとそんなことを思ったあなた、大丈夫、今ならまだ間に合います!
(%ニコ女%)10月25日第6回バス!のってスタンプラリー「枚方東部 穂谷を満喫」に是非いらしてください。

枚方・穂谷の良質の「土壌」・「水」・「米」で作られたお酒。
枚方でも限られたお店にしか置いていない枚方の味を、「産地」(穂谷)で味わえるチャ
ンスです。

原料や素材へのこだわりはもちろんですが、つくったお酒を通して生まれるコミュニケー
ションを通して、「お酒を飲むこと」を楽しめる雰囲気が、重村酒造さんでお酒を買う体験
をとても楽しいものにしてくれるでしょう♪
 
★重村酒造醸へのアクセスはこちら★
(%ニコ女%)「バスで発見! 枚方東部おでかけ みどころマップ」

(レポーター:横木直子)