江戸の携帯道具 矢立展始まる

今では携帯道具といえば電話の代名詞ですが、昔は矢立、印籠、煙草入れなどが男のお洒落でした。さて、この矢立、姫路でも作られていたのですがご存知ですか。写真は姫路矢立といわれるもので、昭和初期まで作られていた銅製の至ってシンプルなデザインの品です。時代の趨勢とともに万年筆に代わり、廃れましたがその万年筆さえいまはどうかという時代になってきました。

以下は展覧会の紹介文です。12日までのたった一週間の展示です。お見逃しなく。

館蔵品展「昔の携帯筆記具—矢立」を開催—————————————————————–
矢立(やたて)とは、墨つぼと筆を入れる筒とが備わった携帯用の筆記具で、古くは戦場で武士が使用しました。本来、矢立という言葉は、矢を入れる箙(えびら)のことを指していましたが、その中に硯を入れておいたことから「矢立の硯」と呼ばれ、後に省略されて「矢立」と呼ばれるようになりました。江戸時代になって、庶民が旅をするようになると、旅の筆記具として欠かせないようになり、さまざまな趣向を凝らした矢立も登場するようになります。明治以降、海外から万年筆が入ってきてから次第に衰退し、現在ではほとんど目にすることがなくなりました。
この展覧会では、館蔵品の中から約100点の矢立を展示し、実用的なものから趣味的なものまで幅広くご紹介し、かつての携帯筆記具としての矢立の魅力に迫ります。