子どもの叱り方

ご質問を頂いたので子どもの叱り方について書きます。

小さな子どもに対して、大きな声を出して叱る方がおられる。
多くは無駄。

そういう場合、怒られたことは覚えていても「何に対して怒られたか」はまったく覚えられないことになる。

当然同じことを繰り返す。
まだ解らないのか!と腹を立て、より怒る。
ということになる。無意味、有害である。

同じことを繰り返すのは「悪いこと、危険なことだと認識、理解できていない」という証拠。
解らせるためには当然違う対応が必要なのである。

大声は、危険で緊急を要する場合には必要である。

ただし、危険で緊急を要する場合に、大声を出して注意喚起できるのは「日頃そういう大声を出していない場合」にのみ有効に作用することを知って置いていただきたいと思う。

ささいなことで大声を出して「怒って」いては本当に必要な時に「ああまた」と聞き流してしまうことになるのである。

それと注意しなくてはならないのは「しつこく怒らない」こと。
だらだら、手を離さずに拘束して言い続ける方がいるが、
目には見えないが子どもは「聞いていない」。耳にふた状態。
子どもが悪いのではない、人間の習性である。

世の中の「してはならないこと」にはいくつものレベルの違いがある。
「まあまあ場所、相手によっては」から「絶対、決して」まで。

大人がまず自分の価値感を点検しなければと思う。
その上で「必要なだけ」の警告、注意をしなければいけない。

よく「なんでみかんさんの言うことは聞くの?」と聞かれるがそれは事実ではない。
私は「言わなければならないことだけ、解るように、わかるまで言う」ことをしているだけであって、私の言うことを何でも聞いてくれているわけではない。

ある小学生の子どもが「大人の言うことを聞かず反抗的でどうにもならない」というご相談があった。

詳しいことは書けないが、私がしたことを簡単に書くと。

本人に、あるチャンスをとらえ「あなたは嘘がつけないでしょう!」と言ったところ、彼は「何で解った?」と私に聞きました。
私は「だから私はあなたのことを信じるし、他の人も言えば解ると思うよ」と伝えました。

親に「やられたらやり返せ」と言いましたね。今度からは「いろいろな場合、それぞれの違いがあるからよく考えてから暴力以外の方法を考え行動しよう」と言ってくださいといい、
教師には「まず本人の話を聞いてください」「彼は嘘がつけない子だから信じて」とお願いしました。

クラスから出て行くように(支援学級に)親が教師から言われていたのですが程なく教師から「撤回します。すみませんでした。その必要はありません」の言葉を頂きました。

私はその子は少し、ある傾向を持っていると考え、その子に合った指導法があると言うことを親と教師にご理解いただいただけ。

クラスのトラブルメーカーとされ、暴力が日常、どれだけ怒られても変わらなかった子だったそうです。

実はそのまっすぐすぎる性格をからかわれ、いつもちょっかいをかけられ、それに対し執拗に仕返しをすることを繰り返していただけだったわけで。
相手は多数、その子たちは教師に聞かれても口裏を合わせ、嘘をついていたので、いつも怒られるのはひとり、もちろん親も自分の子どもを叱ってばかりいました。

暴力はもちろん否定されなければなりません。
しかしそれだけでは片手落ちなのです。

もちろん集団をかさに、嘘をついていた子達には「今後嘘は通用しないぞ、させないぞ」と釘を刺しました。

彼は、その子たちの嘘を見抜けない、子どもの特性を見抜けない大人たちに絶望し、どうしていいかわからないまま問題行動を起こしていたのです。
小さいうちは力で抑えつけられていても、大きくなってくるとそれは不可能になります。
小さなうちから力で抑えるのではなく、なぜしてはならないかをわからせる、自分で考えさせる必要があるのです。
自分で結論を出したことは子どもは守ります。

むやみに怒るのではなく、なぜ悪いかを言える、説明できる大人になる努力が必要だと思います。
まずはそこからです。

自分の機嫌、ただの想像、世間体で怒っていませんか?