「逆境にこそ夢がある」 熊本県知事・蒲島 郁夫氏 ご講演

2月4日(土)午後2時より、

「ジュニエコサミット」という催し物が

熊本県玉名市の司ロイヤルホテル

にて開催されましたぁ〜(^^)♪

「ジュニエコ」とは、商売体験を通して、

「自ら決めて行動できる人材の育成」プログラムで、

小学校4〜6年生の子どもたちに体験して貰います。

わが町の八尾商工会議所青年部主催でこの

ジュニエコ(正式名称:ジュニアエコノミーカレッジ)

を毎年開催しており、次年度で4回目となります。

このジュニエコ事業は、全国で拡がりを見ており、

商工会議所青年部のいち事業としてだけではなく、

様々な団体によって、成されております。

このノウハウは、

NPO法人ジュニアエコノミーカレッジが持っています。

で、このジュニエコを全国で開催する仲間たちの交流の場として、

またよりハイレベルなジュニエコをするための学びの場として、

毎年1回、このジュニエコサミットが開催されています。

このサミットの冒頭の

熊本県知事・蒲島 郁夫氏の記念講演の内容が

めちゃくちゃ感動的でしたので、

ちょっと詳しく、

みなさまにシェアさせていただきます(ー人ー)☆

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講演タイトル「逆境にこそ夢がある」

講演の3つのテーマ↓

A.人生は夢

B.“蒲島”県政

C.震災を克(こ)えて

<A.人生は夢>

蒲島氏の青年時代の夢は3つあったとのことです。

①小説家

②牧場主

③政治家

20代に入り農協の職員になったものの、

向いていない・・・と退職。

阿蘇で牧場経営をしたい!と思い

農場研修生としてアメリカへ留学。

ところがどっこい、研修生の実態は安い労働者的扱い!

研修生には学科研修もあり、そこで

「勉強はラクだ。」ということを悟り、帰国。

24歳の時、アメリカ・ネブラスカ大学農学部へ留学。

アルバイトしながら猛勉強。120%努力を重ねる。

やがて教授から、大学院に進むように誘われたが、

一生学者で終わることに対して違和感を覚える。

ここで少年の頃、政治家を目指していたことを思い出す。

そして政治学に転向し、ハーバード大学へ留学。

必死で3年9か月で博士論文。

4年間しか奨学金が無かったのがその理由。

筑波大学の講師・・・教授に。

更に、東京大学大学院法学政治学研究科教授。

そして61歳の時に、熊本知事に立候補しないかというお誘いが。

初当選。で、現在9年間、県知事をされているとのこと。

以上の蒲島氏の人生の経験で得たことは・・・

夢を持つことの大切さ

に加えて『一歩踏み出す』という勇気、

そして120%の努力を継続すること

1.人生の可能性は無限大であるということ

2.夢を持ち、逆境に立ち向かうこと

3.夢に向かって一歩踏み出し、120%をすること

4.(人様の)期待値を超えること

上記4つのことを大切にしながら、

人生、歩まれて来られた・・・とのことです。

<B.“蒲島”県政>

●「指導・規制・管理・継続性・画一性」の県政から、

「県民の総幸福量の最大化」行政へのパラダイムシフト!

●県職員への指示は

「皿を割ることを恐れるな!」

1.出来ないと思うな、どうしたら出来るか考えよ!

2.国に頼るな、他県と比べるな、熊本県が全国をリードせよ!

3.皿を割ることを恐れるな!(=失敗を恐れず、チャレンジせよ!)

●三つの政治の枠組み

1.決断の政治

2.目標の政治

3.対応の政治 

※これらは「経営」も同じ

●決断の政治 「財政再建」

自分の給料100万円カット。

過去累計5000万円カット済み。

自らの給料をカットすることによって

内外から【政治的信頼】を得ることが出来た。

加えて、「蒲島知事は、本気でやろうとしている」

ということが伝わった。

知事就任後の7年間で1500億円の借金を返却。

しかも、貯金が7年間で2倍になった。

●「川辺川ダム問題」

国と県の事業であったダムが、

40年以上経過しても本体着工に至っていなかった。

知事就任後、ダム建設を中止決定した。

国(国土交通省)や県議会は猛反発!

だけど、就任後5ヶ月で中止を決定し、断行した。

大きな決断(仕事)は、スタートしてから

半年以内(勢いがある内に)やるべきという法則がある。

●目標の政治

y=f(E,P,S,H)

y=県民の総幸福量の最大化

〜その4つの要因〜

E=Economy(経済的豊かさ)

P=Pride(誇り)

S=Security(安心安全)

H=Hope(夢)

これらに加え、「K」も存在する?

「蒲島氏」、そして「くまモン」のK(笑)。

このy=県民の総幸福量の最大化

をいかに実現させるか?が

政治の絶対的目標である。

●対応の政治

〜熊本地震に対する政治的対応について〜

復旧・復興の三原則

①被災された方々の(心身の)痛みを最小化

②単に元あった姿に戻すだけではなく、『創造的な復興』を目指す。

③復旧・復興を熊本の更なる発展に繋げる。

〜『ハンティントンのギャップ仮説』〜

期待→失望→不満

人々の期待がまだ小さい時に、実態を最大限に良くする。

展望を持たせると、不満度が上がらない。

早め早めに処置して行かないと、どんどん不満度が高くなる。

昨年4月に地震発生後、

8月3日に復旧・復興プランを発表する。

その4つの柱・・・

①くらし・生活の再建と創造

〜被災者に寄り添い、すまい、医療・福祉、教育など県民生活を再建〜

②地域産業の再生と創造

〜観光産業・農林水産業・商工業を再生〜

③社会基盤の復旧と創造

〜道路・鉄道、阿蘇・熊本城、防災拠点など「くまもと」の基盤を再生〜

④世界とつながる熊本の創造

〜八代港、阿蘇くまもと空港などの復旧と機能強化〜

「今後、どのように復旧復興していくのか?」と検討する

有識者会議を震災後2日後から行う。

一般的に人命救助を行っている時期に既にそのようなことを検討する。

人名救助や瓦礫の除去等に追われているその時期、

つまり、多くの人たちがまだ復興ビジョンに意識が向いていない・

期待も何もあまり抱いていない段階の時に

復興の哲学を考えると、よりスムーズに事が運ぶ。

●住む場所がない人も多い。

避難所一時期18万人が暮らす。

仮設住宅は温かみある木造で。

熊本県産の木を多く使う。

集会場「みんなの家」を創る。

これが熊本式・熊本らしさである。

仮設住宅はMAX2年しか暮らせない。

くまもと型復興住宅を創造し、

希望者には1000万円で出来る家を建てれるようにする。

そのようなお金が無い人には

災害公営住宅を建設し、安価で提供する。

●仕事がないと生活できない。

グループ補助金による中小企業の経営再建を行う。

県・国が4分の3のお金を捻出。

当事者は4分の1で融資が出来る。

実際まだお金は来ていないが、

その融資のアナウンスはしている。

多くの企業家がこの融資に期待をし、

経営再建への希望を頂いている。

実際、熊本での地震倒産は5社のみである。

●阿蘇くまもと空港の復旧と創造。

空港とお城は日本政府が責任を持って復旧復興させると

安倍総理が断言されておられるとのこと。

八代港は、耐震強化岸壁の整備。

大型クルーズ船の寄港を、

平成29年70回以上を目指す。

インドネシアのバリ州とMOU締結。

観光・農業・教育での交流を促進。

どんどん世界と繋がり、熊本を活性化させる。

●最後に・・・

震災対応は長期間続くが、

全国・世界の皆様に対して感謝!!!

そして県民の一体感を感じている。

全ての災害に対する万全の備えは難しいが、

対応力を持つこと=リーダーシップ力を発揮し、

「チーム熊本」で事に当っていきたい。

熊本地震を単なるコストとして捉えるのではなく、

【創造的復興】として、

経済的発展の礎・投資として活用すべし。

経済成長の原動力にすべし!

逆境の中でも、夢がある。

地震を風化させないように、

発信してゆかなければならない。

くまモン(県の営業部長兼しあわせ部長)が、

知事の感謝の気持ちを持って、

お礼参りに行ってくれています。

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・・・私、このご講演を聴いて、

【創造的復興】という言葉に、魅了されました。

ただただ、被災者=可哀想、哀れ・・・ではなく、

逆境にあるからこそ、よりよい幸せがその先に待っているという

絶対的確信を持って、着実に復興の道を歩まれている

蒲島知事始め、熊本の皆様の事・・・

本当に尊敬いたしております。

きっと、東北震災やその他、

多くの震災・戦災などの災害に遭われた方々も

古今東西、同じようなことを考え、

一歩ずつ復興の道を歩まれ、

そして今の日本・世界・・・

地球があるんやなぁと深く感動いたしました。

ありがとうございました(ー人ー)☆