津軽海峡・龍飛岬から、雄大な日本海を眺めつつ、
美しい海岸線をレンタカーで颯爽と南下し、
十三湖に行きました。
昔は「とさこ」(元はアイヌ語)、
今は「じゅうさんこ」と呼ぶそうです。
十三湖は浜名湖と同じ汽水湖です。
十三湖と日本海が交わるところに十三湊があり、
そこにかつて安藤(安東)氏という一族が、
本格的な都市設計を施し、
一大貿易都市を築いていた!ということです。
今はただの湖に寒村のみ・・・
その遺跡案内の看板が立っていたり、
小さな資料館があるのみです。
司馬遼太郎先生の『街道をゆく 41 北のまほろば』を手に、
中世の面影がほぼない雨の十三湖を見渡してから、
十三湖の中にある小さな島(中島)にある
市浦歴史民俗資料館へ行きました。
地の利を生かして、ホウボウと貿易をし、
巨万の富を築いていた安藤氏ですが、
どうやら巨大地震&津波で壊滅的な被害を受け、
そこに今の岩手県北部と青森県東部を支配していた
南部氏が攻めて来て、
室町末期にこの一族は滅んだ・・・というか、
この十三湊を捨てて、本州のどこかの湊町か、
北海道などに逃げたのかも知れません。
で、そこを支配した南部氏は、
海上貿易にはとんと興味もスキルも無く、
その土地を支配したことのみ満足だったようで、
中世の一大貿易都市はそんな南部氏によって
地中深くへ眠りにつき、今は寒村となっています。
天を仰ぎ海を渡る中世の人たちのロマンが、
生命の息吹“ツワモノドモガユメノアト”が、
この静寂を守る十三湊の下で眠っているなんて、
そのギャップが何だかめちゃくちゃ凄すぎて、
とってもステキな歴史ロマンやと感じました!
●十三湖
http://www.go-kankou.jp/miru_manabu/ando.html
●市浦歴史民俗資料館