「春のお遍路、雑感 〜あるお遍路さんとの出会い〜」

4月22日〜24日まで、

大阪楽心会のみなさんと、お遍路に行ってきました。

今回も“伴走車”のお役目でしたので、

私は歩き遍路をされるメンバーのみなさんのサポートを、

自家用車と共に行いました。

特に何もすることが無い時

(みなさんが順調に歩き遍路をされている時)は、

パソコンを開けてカチカチ☆お仕事をしたりしていました。

ほんと、美しい太平洋を前に自宅事務所と変わりなく

お仕事が出来るって、本当にいい世の中になりましたよね^^♪

で今回、みなさんが歩かれた遍路道は、

国道55号線を室戸岬に向かって、

ひたすら南下するコースでしたので、

私はこの国道55号線を今回、何度も往復しました^^;☆

その時、めっちゃしんどそうに室戸岬へと

歩かれているお遍路さんを見つけました。

私はその方の横に車を停め、

「もしよかったら、どこかまで乗って行きませんか?」と言いました。

その方は「えー!いいんですか!うれしいです!

よろしくお願いします!」とおっしゃり、私の車に乗られました。

かつて私も歩き遍路をしていた時に、

同じお遍路さん(車で回っている人)や

地元の優しいドライバーさんに数回、助けて頂きました。

本当に有り難かったです。

その御恩を返そうと(恩送り)、

しんどそうに歩かれている方にお声がけするようにしています。

その方は神奈川県からお越しの60代のおばさんで、

始めてのお遍路を歩きでされ始め、

一番さんからずっと続けて来られたのですが

途中山道で、手持ちの飲み水が無くなり、

あるお寺の生水をガブガブ飲んでしまったがために、

お腹を壊され、腹痛に耐えながら歩いていたそうです。

しかもそのおばさん、もともと携帯電話をお持ちでなく、

公衆電話もあまりない中、その日の夜泊まる

お宿も決まっていない中、歩いていたそうです。

この辺りの国道55号線沿いは本当に田舎で

コンビニ一つなく、お宿も殆どありません。。。

私はそのおばさんの様子を観、

「今日はもう歩かれず、休養された方がいいと思いますよ」

と提案し、おばさんをピックアップした場所から

一気に25キロ南下し、私たちが宿泊予約していた

室戸岬にあるホテルへ行き、

ホテルに空きがあるか聞きましたら「満室」と言われました。

が、近所の別ホテルを紹介され、そこに空きがあったので、

おばさんはそこに泊まれることになりました。

この時、朝の10時半です。

時々野宿もされていたようで、20キロくらいある

重たいリュックサックをフロントに預けることを提案し、

身軽になったおばさんに、路線バスで室戸市内のドラッグストアまで、

薬などを調達するようにも提案させて頂いて、

「今日はゆっくり休養され、、、明日は終日雨ですので連泊され、

体調を完全に元通りにされた方がいいかも知れませんね」

と言い残して、私はまた大阪楽心会のメンバーさんが

歩いておられる場所まで戻りました。

そのおばさんは私に何度も「ありがとうございます」

「お大師さんに助けていただいた!」とおっしゃり、

二回も握手も求められました(笑)。

始めてのお遍路な上、歩き遍路、しかも携帯電話なし。。。

正直、無計画で無謀なおばさんでしたが、

“お大師さん”に呼ばれお四国に

ご縁の深い方であることは分かりました。

途中で止め、暫くしてまた続きを歩けばいい的な

「区切り打ち遍路」のやり方や、

遍路道沿いを通る路線バスや鉄道の活用方法など、

基本的且つ無理をし過ぎない、

効率の良いお参りの仕方をお教えさせていただきました。

ほんと、歩き遍路って、命がけの修行なんですよね。。。

だからお教えする側も命がけです。

だけど私こそ、このおばさんに感謝、感謝でした。

なぜなら、人に施し喜んで頂けるもの【智慧】を

私は持っているという、

絶対的な感謝の念に気づかせて頂いたからです。

本当にステキな一期一会の出会いをし、

大いに学ばせていただきました。

私にとっての“お大師さん”は、

このおばさんだったかも知れません。

救ったはずが、実は救われたのは私だったかも知れませんね。

ということで今回も、お大師さん、

ありがとうございました(=人=)南無大師遍照金剛☆