先日、東近江市に認知症サポーターの活動の様子を視察に行きましたので、簡単に報告します。
国が認知症対策として認知症サポーターの養成を全国的に進めています。自治体によって取り組みに差があり兵庫県は遅れています。
私が所属している福祉市民ネットでは、兵庫県社会福祉協議会から助成を受けて、取り組みが進んでいる滋賀県東近江市に視察に行きました。
午前中は、滋賀県と東近江市職員から認知症サポーター養成や活動の説明を受けました。滋賀県は県として認知症サポーター養成に力を入れ、医療、福祉、地域が連携して、「認知症になっても安心して暮らせるまち」を目指して市町とともに進めている取り組みの説明を受けました。医療では専門医を認定し、サポート医として研修なども熱心に取り組み福祉と連携しています。進んだ取り組みを兵庫県や川西市でも参考にしていきたいと思いました。
午後から「認知症あったか人情フェスティバルin東近江」に参加しました。広域(近江八幡市、東近江市など2市3町)の東近江認知症あったか人情ネットワーク検討委員会主催です。参加者はサポーターを養成するキャラバン・メイト、認知症サポーター、行政担当、医療機関、介護保険事業者、一般市民など。
まず、基調講演「認知症になっても安心して暮らせる地域って」NPOやじろべー(長野県)代表の中澤純一さんから、長野県で認知症の方2名が次々と行方不明になり亡くなったことから、徘徊している人を発見するための訓練の様子、ビデオ紙芝居を作って啓発しているグループなどの紹介があり、最後に介護者のストレスマネージメントが必要。家族と話す「口」が「ぐち」に、介護をしっかりしようという「意思」が「意地」に、「徳」が「毒」にならないように取り組みが必要と話されました。
近江八幡市のサポーター養成
職域のサポーター養成では銀行での様子、学校では小学校11校中5校、中学校は全4校が取り組み感想では絵本教室を受けた小学生のアンケートでは「認知症の人はかわいそうと思っていたが、いろんな知識を持っているんだとわかった」「おじいちゃんは認知症じゃないけど何度も同じ話をするけど、時間があるときはちゃんと聞いてあげようと思った」など、しっかりと理解していることがわかります。
回想法きらりサポーターの発表「地域回想法出前講座みんなで楽しく懐かしい話を」
東近江市いきいき支援課では、地域の博物館と連携して、回想法を取り入れた認知症予防をしています。毎年、回想法サポーター養成を実施し、終了生が博物館にある昔の民具を貸してもらい、それをグループホームや老人会などに持参して昔を思い出し話し合います。(写真)
その他、キャラバンメイトの活動紹介、青年団と福祉施設との交流などの発表がありました。
最後にピアノとフルートの演奏に合わせて、公募した詩を美しい花の写真をスライドで写していきました。
「私にもあんたぐらいの娘がいると 笑顔で話す父の手を取る」
「家族を忘れ記憶を無くしても 毎日仏壇に向かう祖母」
「あなた誰と言いし父 最期に母の名大きく叫ぶ」
温かな家族の眼差しが感じられるすばらしい詩で会場からはすすり泣く声が聞こえていました。