川西市若年性認知症の会「りんどう(RING・DO)の会主催で、川西市中央公民館において講演会がありました。
「知ってほしい経済支援の話し」
〜若年性認知症を有する本人及び家族の今と未来に着眼して〜
講師は日本福祉大学 青木 聖久 教授
青木教授は福祉大学を卒業後、精神科でソーシャルワーカーとして勤務したときに、社会生活を送る上での患者さんの“生きづらさ“を知ったそうです。
(1)生きづらさとしての特性
障碍という言葉は”さしさわりがある“ということ。一人の人として当たり前の喜怒哀楽
をもって生活しているひとという理解がされにくいために“生きづらさ“がある
(2)障碍者の生活における経済的支援の位置づけ
生活を支えるためには①経済的基盤 ②居場所 ③社会的生活支援が必要
生活保障の制度としては、医療保険と医療費の助成いろいろと
①雇用保険、②障害年金、③精神障害者福祉手帳などがある
しかし、生活を維持するのは難しく、防貧・救貧対策の制度として
①生活福祉金 ②無料定額診療事業 ③生活保護などがある
感想
若年性認知症の人は、発症と同時に精神障害の人が抱える“生きづらさ”を体感することになります。
若年性認知症の方が受けられる制度はいろいろあるようですが、それぞれに多くの制約と手続きが必要(若年性認知症支援ハンドブック 兵庫県平成28年2月修正版)で、なおかつ十分な支援には至らないようです。
以前テレビで、若年性認知症の方が発症前と同じ職場で働いている様子を放映していましたが、一見すると認知症と分からないですが、すぐ忘れてしまうので職場の理解とサポートがないとできないという様子でした。同じ職場で働き続けるケースはまれなのでしょう。
現在兵庫県には約1600人の若年性認知症の人がいると推測されていますが、まだ働き盛りで大黒柱である人が認知症になると、たちまち社会生活の継続が困難になり、家族の人生設計が大きく変わることになるのでしょう。その後の生活を考えると、本人を含めてその家族の精神的・経済的負担は計り知れないと思います。介護の問題も出てくるでしょう。
川西市では川西市若年性認知症の会「りんどう(RING・DO)の会」が出来ていて、本人と家族が第4水曜日に活動しておられます。一人で悩まず、出かけていって話をすることで、いい解決策が見つかるかもしれません。気持ちも楽になるかもしれません。
2025年問題として高齢者の認知症の増加に焦点が当たっていますが、若年性認知症の方の大変さを知る機会になりました。
皆さんはどのように思われますか。
(報告 山本)