7日本日は「都市で学ぶ農楽講座」の10講・11講でした。講師は能勢町で30年以上にわたって有機で作物を栽培されている尾崎零さんの講演でした。
「食と健康」「地産地消」の二つを基本テーマに約2時間30分かけて含蓄のあるお話がされました。
すべての軸は「生命」。それを考え判断力を付ける資質を備えることが物事を考える時も、行動・実践する時も原則であると経験を踏まえ提起されました。とりわけ、食の荒廃の様子に触れて、食と健康を考えることが大切であると語られました。また、国の豊かさよりも国民一人一人の豊かさがこそあるべき姿であると強調されました。
ほとんど見向きもされなかった時代から有機栽培に取り組んでおられるだけに、お話一つ一つに説得力があり、食育の欺瞞と本質を見抜くことの必要性知ることとなりました。
地産地消の歴史的な歩みと時の為政者の政策との関連性など、改めて、日本農政の根源的な問題を学ぶことができました。
自給率の経年変化、農業面積や就労者数、さらには食べ物の変化の変遷を知れば知るほど、日本の農業の将来を憂うざるを得ません。しかし、講師は、この時こそチャンスとポジティヴに展望を語り、学んでいる若者たちに勇気を与えられていました。
三里四方の食物を食べることが昔から健康の基本といわれいます。地産地消はそれを具体化したもの、経済優先でなく生命優先こそ、国民が豊かになることに繋がると希望を語られていました。
心が洗われる講演でした。本物のお話はやはり違います。自分が恥ずかしくなった2時間30分でした。
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休憩中に「若者による農業分野チャレンジ事業」の仲間を撮りました。