4人の若者が11か月の就労経験をプレゼン

20日(木)、午後から「都市で学ぶ農楽講座」の第23講座を開講しました。内容は、農業をめざす若者がこの間の就労体験やフィールドワークでの実習などを通じて学んだことをプレゼンテーションした後、この間講師としてご足労を願った高橋太一郎さんからコメントいただき、記念講演として「農業の課題と展望」について奈良県宇陀市で活躍中の「山口農園」の有機栽培事業のお話を同農園の牧野裕三さんから伺うものでした。

4人はそれぞれ体験を通じて得たものとして、感謝が一番と前置きして、栽培就労で失敗したこと、あるいは学んだこと、さらには作物の育ちで感動したことなど、思い思いに語りました。

高橋さんからは、「経験は価値」であり、時間は買うことはできない。また、経験は2度同じことを経験することはないことを前提に、今度はこの経験を人やまわりに伝える役割があるとコメントされました。

記念講演の牧野さんからは、農業の役割は①食糧(生命の根源) ②国土の保全の二つが大きくあるとして、日本の自給率問題や国土保全に関して農業なくして景観はないと、棚田の事例や畑・田んぼなど、絶えず草刈りをしながら保全に努めている点を強調され、さらに治水の観点も忘れてはならないと結ばれました。

印象に残ったのは、農業とは農と業であるが、農だけでなく生業でなければならない。日本農業の現実は65歳以上の人が担い、若者は僅かである。1970年代1800万人近い農業人口は今や177万人まで減少している。業として成り立たすためには、市場で0.2%しか占めない有機栽培野菜をどのようにシェアを広げていくか、山口農園では、分業を前提に事業を成功させていると熱く語られたことでした。