傾聴での苦い思い出

(%手紙%)依頼者のAさんは、お体がご不自由で、一日をベッドで過ごしていらっしゃいます。

(%紫点%)いつもお元気で楽しいお話をいっぱいして下さるのですが、その日開口一番おっしゃったことは、「このまま、体も動かないまま死ぬかと思うと、とても辛い。」と言う言葉でした。

(%紫点%)聞いた私達も、とても辛い気持ちで思わず言葉に詰まりました。
しかしその後は、いつものように楽しいお話をいっぱい聞かせて
頂き、満面の笑顔で握手をして見送って頂きました。

(%ハート%)私は今日の傾聴を振り返りながら、三年前よりそいのグループを立ち上げた頃訪問していた、
ある依頼者さんのことを思い出しました。
同じくお体のご不自由な方で、あまり多くご自分からお話される方ではありませんでした。

(%紫点%)私達は傾聴活動を始めたばかりで、傾聴は聴くことが基本と教わりましたので、「たまにはそちらが
話してくださいよ。」と言われても、ひたすら聴き役に徹していました。

(%紫点%)そして、突然の打ちきりの連絡でした。皆ショックを受け、何がいけなかったのか、こういう方にこそ
傾聴が必要なのにと、真剣に話し合いました。

(%紫点%)あれから三年、依頼者さんと歌ったり、本を読んだり、踊ったり…お話の引き出しを開けることも
上手になりました。今ならもう少し上手に傾聴できるのに、と思います。

(%紫点%)今でも、あの時の依頼者さんのことを申し訳なく思い出します。噂では遠くに引っ越されたそうです。
お元気でいらっしゃることをお祈りしています。

(%ハート%)(E・K)(%ハート%)