17歳の証言

不登校は罪ですか。
不登校は病気だ・・・とか。
不登校は直る・・・とか。
不登校を悪だと決め付けたのは一体だれ?

中学生の時、あたしは「世間的に正しいこと」と「私の頭の中」をつないでいた配線コードを、誰の許可も無く、そして唐突にプッツンプッツンと切り始めた。それは私の青春時代が大きく変化する始まりの出来事だった。

長すぎるほどの時間を1人で過ごした。
それは世間的にはただの無駄な時間で、大きな不安と悲しみ、そして誰にも理解されないかもしれない恐怖と、諦めをあたしに与えた。
だがそれと同時に、膨大な時間という自由を与えられたあたしは、その自由の香りを胸いっぱいに吸い込み、読書にふけり、自分がやりたいこと、自分のいるべき場所、そしてたくさんたくさんの考えごとをした。
必死で捜し求めた漠然とした何かに対する答えは、いつも私の心にひっそりと、そして当たり前のように寄り添っていたのだけど。

4年間の不登校生活で、あたしが得たものは何だろう。
不登校をしたという経験はもちろん、今のあたしを形成したのがこの時間だったように思う。それは決して無駄な時間じゃなかった。
確かに、不登校、高校中退なんて世間から見れば恥ずべきことなのかもしれない。
けれど、私は私で、それは変えることなど出来なくて、他人と自分を比べることの無意味さ、そして他人と違う自分を好きでいられる自信をつけた。

神戸自由学院に来てから、もう1度高校に入りなおし、新しい生活がスタートした。
たくさんの人と関わって、たくさんのことを学んだ。自分の経験値が1つずつ増えていくことの楽しさを知り、自分の居場所を見つけ、静かな情熱を持って自分の将来を考えることが出来る。

不登校は無駄な時間だと私に教えた先生が、また同じ過ちを繰り返さないことを。
子供を年齢だけで判断し、我慢させ、制限する大人が1人でも、その愚かさにハッと気付いてくれる日を。

 Chiko のアメブロ原稿より( 2010.6.30書き込み ) 

 URL http://ameblo.jp/kfa2010/