事件はいつも・・・丹波ナチュラルスクール

丁度1年前の9月10日、丹波ナチュラルスクールの前に立って、ボクは、なんとも言えない悲しみと憤りが湧き上がるのを感じました。新聞で報道された次の日に、車を飛ばしてかけつけました。静かな山あいのお寺の境内に、そのプレハブは建っていました。鉄格子と3重カギで監視されてた部屋から、脱走した女の子が、捜しにきた人たちに見つかり、「殺される」と泣き叫びながら連れていかれたという監獄のような民間施設。

 フリースクールでもいろいろです。20年前広島の三原にあった「風ノ子学園」では、中学生2人を40度をこえるコンテナの中に押し込め、2人は喉をかきむしって亡くなりました。その事件を忘れないようにと、毎年広島までの280キロを5泊6日で走って、ボクらはいてもたってもおられず、追悼に行きました。みんなが忘れても、ボクらは忘れないと錆びついたコンテナの前で誓いました。しかしいつのまにか風化して、うわさにものぼりません。この京都の事件も、1年経って、マスコミからは完全に消えました。

 忘れないようにしよう。事件はいつも風化していくのです。しかし、せめてボクらは、この場で子どもの人権が蹂躙されたことを忘れないようにしよう。日常的に子どもと関わるボクらが、同じあやまちをくりかえさないためにも、この事件をしっかり記憶にとどめておこう、と思います。