ねえ、ハロウィンのデザートなににする?!

トッピングに秋の果物、柿とりんごがキッチンに並ぶ

「ねえ、だれがむく?」
「包丁まだ3回しかもったことない」
「柿なんかむけへん」
「手むくわ」
「どうしよ!」
女子中学生らが集まって
ハロウィン用のフルーツケーキを
つくることに決めたものの
果物の皮をむける人がいない

「すこしなら、わたしむけるよ」
まだ体験中の女の子が遠慮がちにいう

「よかった、よかった」
「わー、すごい」
体験中の彼女が、いつのまにか
女子の中心になって
ケーキづくりを楽しんでいる

ああ、この子はもう
もうボクらの空気になじんでいる

学校では、みんなの影に
かくれていた彼女が
この居場所で輝いている