この人は、神戸に生まれ神戸に60数年暮らしているボクなんかより、ずっとずっと神戸を愛しているなと感じさせられる韓国人の牧師さんが、同じビルに住んでおられる。神戸は水がおいしい。山に登れば六甲山からは100万ドルの夜景が見渡せ、海に行けば大きな船や小さな船が港に出入りして、いつまで見ていても飽きない、と熱っぽく語る牧師の言葉に、ああボクは神戸の市民として、恥ずかしい気持ちになった。きっと、つらい生活・くるしい歴史をくぐりぬけてきたはずの韓国人牧師は、微塵もそんな気配を見せず、神戸に育ってよかったですね、と中高生に自分の町を愛することを伝えた。なんということだ。なんと大きな心を持つ人なんだと、韓国語の授業の度に感謝ハムニダという気持ちになる。