Aさん、子どもをたたく前にこの歌を・・・

Aさんへ、お気持ちはよくわかりました。ボクも息子が不登校で
約15年いっしょにフリースクールで歩んできましたから、その態度や
生活ぶりが酷似していて、理解できました。

でもたたいたり、蹴ったりしないでください。暴力からはなにも生まれ
ません。

さきほど家に帰りついて、テレビで小田和正が歌っていました。
「ゆるしあって ぼくらは つながってゆくんだ」と。そのとおりだと
共感します。ぼくらはいっぱい許されて、やっと大人になりました。
これからは、いっぱい許す番なんですね。「これは、だれでも腹をたて、
許せないだろう」ということも、許せるはずです。自分も許されたんです
から。ぼくも ほんとにまだ修行中で、なぜもっと優しくなれないのかと
落ち込んでしまうことがあります。
 
 前にも話しましたが、京丹波ナチュラルスクールという施設で、監禁さ
れていた子どもたちが逃走して保護されたニュース覚えておられますね。
ボクは翌朝、大雨の中、京丹波の強制施設に車を走らせました。
「ごめんな、ごめんな」と車の前が曇るほど泣いて走りました。

なぜ僕ら大人はこんなに無力なんだ、許してほしいと言いながら、
ひっそりと静まりかえった施設の壁に手をやり、かれらのつらかった日々
をおもった。

あなたも、どうぞ息苦しさを感じて生きている息子さんはじめ多くの不登校
の子どもたちのために、力を貸してくださいね。よろしく。 
おやすみなさい。

 神戸フリースクール 田辺克之

 ※ 丁度去年の夏、Aさんに向けて送ったメールです。あれ以来Aさんは
 姿をみせることはありませんでした。ことば足らずだったのか反省して
 います。