学校の担任や校長からわが子の不登校を責められた母親は
「あなたが不登校するから・・・」と愚痴をこぼしてしまう
わかっていても、つい家の中でうじうじくすぶっているわが子が
なさけなく思えて、せめて自分だけは味方になってやらないとと
ふだんはこころがけているはずなのに、つい冷たい学校の対応に
やりきれなくなって、子どもにあたる
子どもはじっと嵐の過ぎ去るのを待っている
「あ〜あ、また言ってしまった」と母親は唇を噛む
そんな家庭の中1の男の子がフリースクールを訪問してくれた
のどかな雰囲気の中で、ひさしぶりにわが子の笑顔を見たと
母親は涙した
僕は、まだ幼さの残った少年に「理論武装しろ」とさとした
「義務教育とは親にかせられた義務で、キミの義務ではない」
「子どもには権利があるんだ。学ぶ権利、教育を受ける権利」
まわりの常識におしつぶされないために、理論武装を!
「学校へ行く義務なんかないんだからね。」
「学校へ行くのも選択肢のひとつだよ。これが事実なんだ。」
これまでだれからも聞かされなかった話に、だまって
目を見開いて少年は聞いていた。相談は1時間を過ぎた
最後に、この少年を引き受けたいと僕は母親に話した。