開放的すぎる神戸自由学院の学習風景

兵庫県教育委員会が学校施設として認定するのに障碍になったのは、神戸自由学院が『開放的過ぎる』ということであった。通常なら3ヶ月程度で書類審査が通過するはずが、約半年かかった。最終的に移動式の間仕切りとロールカーテンを設置して、部屋を仕切ることで、すこし教室らしくなったと評価され、ついにフリースクールが20周年にして兵庫県教育委員会の認可を受けることができた。

 しかし、いまや小学校も間仕切りや廊下をなくして開放的になりつつあるというのに、教室はこうであらねばというガイドラインにとらわれている県教委もたいへんだなあと思う。規則が変わらないかぎり、情状酌量ということはできないそうで、規則にそって判断するしかないらしい。

 しかし、お誕生会などでロールカーテンをおろしてキャンドルをともすと、これもいいねとせまっくるしい空間を楽しむ子どもたちもいたが、お誕生会が終わるとすぐにカーテンは開けられた。やはりフリースクールは開放的なのがいいというのが、子どもたちの結論であった。

 中高生が世界史の授業を受けている隣で、小学生が工作の「スライムづくり」に熱中している。壁も仕切りもない、本箱が間に置かれているだけで、おたがいが丸見えである。でもだれもいやがらない。気になるのはむしろ大人みたいである。