京都わくせい学校の山下さん・・・わくせい通信より

ほぼ神戸フリースクールと同じ時期に、京都でフリースクールを始められた元学校教師の山下さんが、毎月「わくせい通信」を送ってくださる。ほがらかな方で、子どもたちが自然に山下さんの近くに寄っておしゃべりしたくなるおだやかな主宰者である。文章もおもしろくて、ついひきこまれてしまう魅力があり、いつも感心させられる。

 もし興味のある方がおられたら、京都の鞍馬にちかい「わくせい学校」をたずねてみるのがいい。教えられることが多いフリースクールだ。

 「わくせい通信」199号が送られてきた。次は200号だなと他人事ながら感動する。
その中で、山下さんが「日の丸・君が代」について言及しておられる。

 『このことに関しては、国民の中でもさまざまな意見があり、子どもが国家と自分の間でどのような関係を取り結ぶべきかについて、たとえば国家シンボルに対する自分なりの考えをもてる環境が整っていないまま一元的な「のぞましい心構えや態度」「心のもちよう」などを一方的に身につけさせようとする学校での指導は、子どもの思想良心の自由という点で賛成できないというものもある。』

 このように、なんとなく避けて通りやすい難題にも誠実にむきあう真摯な山下さんの姿勢がいいと思う。

 また『 わく星学校は一人ひとりの人間の主体性を認め、子どもが自分で考えて自分で判断できる大人になれるよう支援していく場だ、そのために必要なのは、思想・良心に関わる問題について安直な「正解」をもとめず・・・・』 と文は続いている。

 たよりない子どもだけど、子どもの自尊心・主体性を十分に認め、自分から自分の意見がいえるよう後押ししている彼女の姿勢がうかがえる。フリースクールを運営していく上での「お手本」を示してくれているようだ。