『ゆとり教育』を捨てたわが国の教育は、また60年代・70年代の学歴至上主義の時代に舞い戻ろうというのだろうか?「幸せになるために有名大学に行こう!」なんて、韓国がやってる受験戦争をテレビで見て、かつて日本も通ってきた道だなと笑っていたのに、またですか?
点数主義、勝ち組になれ!という教育が子どもたちの心を育てることはないだろう。悲しいことだが、本気で為政者たちは、「勝ち組教育」に照準を合わせている。それは、東大卒の官僚たちの一番喜ぶ社会でもある。明らかな格差社会の増幅だ。
漫画家、山田玲司さんは言う「豊かになるためには東大だろうという硬直した発想から抜け出せない人、また農業を馬鹿にしているような人、そういう人たちの価値観のなかで教育がおこなわれていたら、ゆとり教育なんてできるわけがないだろう。」
すでに学歴社会から、一歩前進したのかなと考えていたら、またぞろ勝ち組モードに社会が支配されつつあり、政治も教育も全体主義的なモードになりつつある。経済がなりたたなくなり、福祉が後退し、貧富の差がさらに開いて、ふたたび歩んだ暗い時代に突入しなければいいのだが・・・
こういう空気が社会をおおいつくしていると、不登校もやりにくい。都市によっては「不登校ゼロ作戦」を本気で呼びかけているところもある。最近、橋下維新の会の市議会で「発達障害は親の子育てが原因」などと「親学」をすすめる提案を行い、それが多くの人に批判され、白紙撤回するという事件があったが、多様な生き方、多様な学びに逆行する非科学的なことが、堂々と議員の中で話し合われたということに驚く。いまや学校だけに教育を独占させる時代ではない。手前味噌で申し訳ないが、フリースクールなどという「新しい学びの場」こそ注目されるべきだと思う。不登校OK、不登校こそ新しい時代の新しい学びへの第Ⅰ歩なのだと考える。
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