以前私は、百姓の娘であることをブログで告白しました。
https://www.voluntary.jp/weblog/myblog/48450/1907021#1907021
百姓にこだわる親父さまが緊急入院しまして、実家のぶどう園の手伝いに帰省しておりました。
ぶどうの芽が出る前にやらなきゃならないことがありますから。
それは、ぶどうの木にビニールの屋根をつけてやること。
妹夫婦と、私と15歳になった息子とで、黙々と作業を続けるわけです。
農業と言うのは、実に地味な仕事です。
今まで父母二人だけで、やってきたわけで、感動すらします。
今回のビニール貼り、息子の
「どしろうとだけでも大丈夫なん?」
という疑問は、当然っちゃ当然なんですが、
妹夫婦が、少しずつ覚えてくれているので、なんとかなるだろうという
カンジですわね。よく働くし、頼もしいです。
「ネイチャーヒーリング、って思えばいいのよ!」
と、限りなく前向きな妹の発言に安堵。
日本の農業政策は、農業従事者を育成していくことに熱心ではありませんでした。
今の農業を支えているのは、65歳以上のお年寄りです。
2007年度問題から、一気に農業回帰に関心が高まっているようですが、
農業は、忍耐強さが求められる仕事です。
3K(きつい、きたない、きけん)と呼ばれる仕事です。
農業の「技」は、一朝一夕に身につくものではありません。
若い世代が「農業をしたい!」と思っても、土地は簡単には手に入りません。
毎日私たちが当たり前のように食べている米野菜果物ですが、
消費者側からの意見要望はたくさんあっても、生産者の声ってあまり
聞こえてきませんよね。
なぜって、買って貰えなければ、食べていけないから。
「生産者は一番弱い。」と父が言っていたことを思い出します。
「農業」を誇りに思えないことはとても残念なことです。
今からでも遅すぎることはないでしょう。
ささやかながら、私もここで「農業」について語っていこうと思います。
今は、枯れ枝にしか見えないぶどうの木ですが、もうすぐ
新芽が膨らんできます。
枯れ枝の切り口から、水滴がにじんでいました。
手の甲にとって、なめてみました。
なんとなくちょっぴり甘い水滴でした。