「土を掘り返してはいけない」、
太古からモンゴルにあった厳しい掟でした。ところが、開墾、開発、薪炭用材の伐採、過放牧、温暖化などにより、牧草地が荒れ、元々の砂漠の2倍の面積が砂漠化しました。現地には、自らの慣習破壊を猛反省して、生態系の回復が自らの生活を守る、地球環境を保全できる、木を植えたい、という人々が大勢います!! だが・・・
(1)植林は経済価値を回収するのに20年程度、しかもその後続かないと意味がない
(2)植林は初期費用が大、利益の回収期間が長、不確実性が大。豊かといえない地元は資金に欠く。
私たちはこの故郷に育ち、来日して経済と環境を学び、今、大きな責任と地元の期待を感じています。この度、兵庫県立大学経済学研究科の先生方のご指導・ご支援のもと、地元の住民と家畜と環境とが共存できる、“集落レベルから持続可能な内モンゴル緑化プロジェクト”を始めました。
○ミッションは持続可能な植林。そのための植林3原則
①地元民が自ら植林し、管理し、利用する。私たちはそれを支援します
②経済と環境とを補完させる。林業が牧業・農業と補完しあう複合経営を作る。
③地区コミュニテイを強化する。森林を維持・利用する最大の力は、地区のコミュニテイです。
これらのために、森林の持つ多面的機能が活用できる
① 経済的価値:木材や材料、果実、飼料、燃料。
② 防災害:風、寒さ、雪。対生活、家畜、農作物。
③ 保表土・保水。有機物を蓄積して表土の土質を養成し、保水する。
④ 環境:CO2固定、黄沙・砂漠化の防止、塩害防止(直射日光はアルカリ土金属類を吸い上げるが、草木は水だけです)
⑤ 生態系を多様で豊かにさせ、景観美や情緒安定を生む
○植林3原則に立つ事業は持続可能であり、広がってゆく
森林には周辺との補完効果や規模の経済性が働く。そこで、植林を個体戸から近隣へ、集落へ、地域へと広げてゆく誘引が働く。林・牧・農の複合経営が成果を上げ、やがて樹木の経済的価値も高まり、できるだけ早期に、確実に、返済してもらう。貸付金は早期に分割返済され、これを他の牧民に貸出し、事業を広げる。この成功の実例を広くアピールし、植民を希望する集落を生み出す。これに応じて日本での募金を広げるならば、内モンゴルの砂漠化域をGlobalに緑化する展望ができる