3月21日(土)神戸で本田健さんをお迎えして教育講演会を開きます。
興味のある方はぜひ講演会の詳細をご覧ください。
デモクラティックスクールを運営していて分かるのは、子どもの両親がいかにスクールの理念を理解し、スクールにコミットしているかということの大切さです。
デモクラティックスクールの運営自体は、保護者が介入してくることは望ましくありません。大事なのは子どもがスクールの運営の主体であり、スクール内部のことはすべてスタッフと子どもで決められるべきだからです。
しかし、では保護者がスクールに無関心でいてよいかと言うと、そうではないのがデモクラティックスクールの面白い点です。むしろデモクラティックスクールの維持・運営には、普通の学校以上に保護者のコミットメント(献身)が必要なのではないかと、私は最近思うようになりました。
まず、常識に抗ってデモクラティックスクールを運営する上での保護者の役割です。
ご存知のように、世の中には「子どもは(国が認めた)学校に行かなければならない」という価値観がひじょうに根強く残っています。この価値観は、大人は勿論、子どもにさえ深い影響を及ぼしています。勉強がどれほどつまらなく、授業がどれほど苦痛でも、「学校に行かなければならない」と思い込んでいる子どもがどれほど多いでしょうか。
そのようにある価値観が支配する状況の中でデモクラティックスクールを運営するには、子ども自身がスクールに通うだけでなく、子どもが帰って行く場所である家庭もが、子どもを完全に信頼するというスクールの方針を理解しておく必要があります。
「したいことをなんでもできる」
これがデモクラティックスクールの方針である以上、スクールで自由に遊ぶことができても、家に帰ってから勉強を強制されていたりしたら、それは結局こどもの好奇心を摘んでしまい、生きる意欲を阻害してしまいます。
同時に、単に子どもに干渉しないだけでなく、子どもを100%信頼することが必要となります。家に帰ってきてゲームをしたりマンガを読んでいる子どもを見て、保護者の人たちには安心して欲しいとわたしは思います。そのとき彼らは何かを学んでいるのですから。
つまり、保護者の人たちのそのようなコミットがあってはじめて、常識に抗っている学校に通う子どもが自分のことを完全に肯定することができるのです。
デモクラティックスクールが存在していくには、子どもとスタッフだけでなく、そのような保護者の人たちの理解と精神的なコミットメントが必要です。それによって初めて、スクールが存在する上で必要な“コミュニティ”ができあがります。
デモクラティックスクールを立ち上げる上でも、また維持していく上でも、そのような“コミュニティ”を形成していく必要があります。
デモクラティックスクールは、単に教育サーヴィスを提供するだけの既存の学校とは異なります。まるで“商品”のようにサーヴィスを提供することは、売り手と買い手とを分け隔てることになります。
しかしデモクラティックスクールを運営していく上では、そのような通常の企業のようなスタンスで“教育サーヴィス”を売ろうとすることは間違っているのではないかと、わたしは思うようになっています。
そのような売り手と買い手を分断するようなスタンスで、デモクラティックスクールに興味をもつ子供や家庭を探すことは、違うのではないかと感じています。
デモクラティックスクールを運営していく上で必要なのは、むしろコミュニティを拡げていくというスタンスです。スクールの理念に共感する人たちの集まりを形成することです。
デモクラティックスクールの運営に必要なのは、“お客”を集めることではなく、同じ理念を共有する仲間とつながっていくことなのではないかと、私は思うようになっています。
>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
都会のサドベリー・スクール
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〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
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公式HP
日本におけるデモクラティックスクールの「これまで」と「いま」を紹介した『自分を生きる学校』(デモクラティック・スクールを考える会編 せせらぎ出版)好評発売中{/ee_1/} 宙(そら)のメンバー・保護者・スタッフも書いてます。{/ee_3/}