既存の学校教育には問題点はいくらでもありますが、そのひとつは失敗を許さないことにあります。

あるいは、失敗を失敗として、つまり取り消し不可能なものとして認識するよう子どもたちに強いているとも言えます。

完璧な子ども時代とは、戦後の日本では、最高の学業成績を修め、もっとも偏差値の高い大学に入ることとされてきました。この価値観は今もそれほど変わっていません。

「学力低下」「ゆとり教育の危機」とさんざん言われていますが、少し距離を置いてみれば、学校の成績がすべてであるという価値観は変わっていません。言い換えれば、学校の成績に代わる価値観が確立されているわけではないのです。

子どもの成績がよくなければ、「まぁ、この子の個性が伸ばせればいいか」と諦めの混じった感情でものを思う親御さんは多いでしょう。

しかし、もし子供の成績が良ければ、子どもが勉強を楽しんでいるかどうかは考えず、今のままでよいと多くの大人は考えるでしょう。

子ども時代は勉強ができればそれが一番いいと今でも多くの大人は考えているのです。

勉強ができることがいいと考える価値観は、日本という国の中で自分は上から何番目ぐらいの人間であると子どもに自覚させるよう強います。

たとえ偏差値60の学校に入っても、偏差値70の学校には入れなかったのだと子どもに徹底的に自覚させます。「おまえは偏差値が10足りない人間である」という考えを子どもは自分自身に対して言い聞かせるようになるのです。たとえ一生懸命勉強したとしても。

点数で人間を推し量ることは、「おまえは足りない人間だ」と自分自身に対してつねに言い聞かせる人間をつくることを意味します。

それはやがて、収入・肩書き・地位・世間体などでも「自分は足りない」と想う人間をつくることになります。

わたしたちの社会のほとんどすべての人は、「自分には何かが足りない」と思っています。

このことの異常さを是正するには、大人自身が、子どもを、自分の足りない部分を補う道具として扱わないことです。

また子どもが送る人生を、失敗・成功という視点で見ないことです。

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