雨・・・(平成21年7月21日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

朝7時
孟子不動谷に着くと、重たい鼠色の雲が上空を覆っていました。
ポツリ ポツリと雨が落ち、ありもとの頬にかかります。

サンコウチョウとホトトギスが鳴いていますが、心なしか力が弱く
聞こえます。
そろそろ野鳥たちの繁殖期も、終わりに近づきつつあるようです。

本降りにならないうちに、天堤池までのルートを歩きます。
山道に沿って、キノコがたくさん顔を出しています。

最も多いのはクサハツ。橙色かかった褐色の傘を、暴風雨のとき
の雨傘のようにそらせたキノコです。
毒があると図鑑にはかいていますが、写真を撮るだけで、食べる
予定のないありもとにとっては、どんな猛毒キノコも大切な里山の
仲間であり、梅雨らしい撮影対象なのでした。

カバイロツルタケ、ドクツルタケ、ドクベニタケ、テングタケ・・・・
大小色とりどりのキノコたちがあちらこちらに顔を出しています。

先週「宇宙人」のような真白な幼菌であった大型のテングタケ類
のシロオニタケが大きな傘を開いています。

いっぽう、先週あれほど多かったヤマドリタケモドキやアカヤマドリ
等のイグチ類は、今日は1つも見当たりません。
キノコたちは足早に、雑木林の林床や倒木の上を彩り、足早に消
えて行くのです。

アオバトの群れが上空を飛んでいます。
雨足が、どんどん強くなります。
林道沿いの枝に、ヤブヤンマが1頭、休んでいます。

天堤池までのルートを歩き、一通りの野鳥の声を確認して、テラス
に戻るころには、雨は完全な本降り状態です。

丸嶋さんがワンボックスカーでやってきます。
今日はホワンティ&アイちゃんを連れていません。
「昨日までモモ捕りでいそがしくて、今日は田んぼの仕事をしようと
思ってたのに、これじゃあアカンなぁ・・・」
恨めしげに天を眺めています。

梅雨本番の時期、雨が欲しくて恨めしげに青空を眺めていたのが
ウソのようです。

雨足がどんどん強くなり、とうとう篠突く大雨になりました。
ザァーという雨音が、不動谷を包みます。
一生懸命囀る幼鳥のセグロセキレイの声が、雨音にかき消されて
聞こえないほどです。

「アカンなぁ・・・・」
丸嶋さんが溜息をつきます。

ミニブタに餌のモモを持ってきた北原さんも、あまりの豪雨にあきれ
ています。
「NPOセンターに行ってくるわ」
そう言い残して軽トラに乗り、去って行きます。

丸嶋さんも「もう帰ります」といって、ワンボックスに乗り込みます。

また例の如く、ありもと一人になります。

ふりしきる雨の中、メスのマルタンヤンマが上空を通過します。
コーヒー色の翅が、梅雨時の孟子を象徴しています。

これではトンボのデータもまともにはとれません。
歩きまわっても、仕方ばありません。

丸嶋さんが帰ったころから、やすゆき公園のカラスザンショウで、ヒ
タキの幼鳥が騒いでいるので、ログハウスの中に座って窓をあけ、
観察してみます。

カラスザンショウの樹の隣に、多量に樹液を出すクヌギがあり、樹液
溜まりに昆虫が集まっているのが彼等の「お目当て」のようです。
コサメビタキとキビタキの幼鳥が、入れ替わり立ち替わり飛来しては、
樹液溜まりのところでホヴァリングをし、小さな昆虫を咥えては、カラ
スザンショウの枝先にとまり、呑みこんでいます。

ログハウスの中からの観察なので、ほとんど警戒せずに、目の前の
枝先にとまります。

新鮮な幼鳥羽のキビタキとコサメビタキの写真をほしかったので、
これはおあつらえむきです。

キビタキとコサメビタキは、流石にオオスズメバチには飛びかかって
いかないものの、結構大型の昆虫にも飛びかかっていきます。
彼等は体は小さいものの、嘴は平たく、ガマグチのような口をしてい
るので、結構大きな昆虫でも丸のみにすることができるのです。

そういえば、コガネグモ相撲を孟子で行っていた時、捕えたコガネグ
モをとんぼ池の周辺に放しておくと、きまってキビタキ、オオルリ、サ
ンコウチョウが飛来して全部平らげてしまったものでした。

「Flycatcher(虫捕り屋)」という英名の彼等の、見事なホヴァリング
と、ハンティング技術を堪能しつつ、雨模様の孟子不動谷の時間は
過ぎて行きます。

ヒタキたちの道化師のようなしぐさを楽しみながら昼食をとり、午後も
ログハウスでヒタキ見物を続けます。

ヒタキたちに混じって、エナガ、メジロ、ヤマガラの混群がやってきま
す。
彼等はヒタキたちとは違って、枝先や葉の裏を覗きこみ、葉裏の隙
間に隠れたイモムシを見つけるとその嘴でつまみ、タンタンタンと枝
の上で叩き殺して、呑みこんでしまいます。
この森で冬もすごす彼等は、葉の裏や枝の隙間に隠れた昆虫を捕
食する術に長けているのです。

一向に雨足が弱まる気配はありません。

15時になると、あれほど賑やかだったヒタキたちも、めいめいに満
腹になったのか、林の中に戻ってしまいました。

「あぁ・・・ほとんど歩くことのできない一日やったなぁ・・・」

ヒタキたちの気にいった写真は撮れたものの、なんとなく消化不良の
まま、孟子不動谷を後にしました。

今夜はまた、豪雨が不動谷を襲うという予報です。
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<鳥類>
アオサギ、キジバト、アオバト、ホトトギス、カワセミ、コゲラ、アオゲラ
ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、サンショウクイ、ヒヨドリ、コサメ
ビタキ、キビタキ、サンコウチョウ、クロツグミ、ウグイス、センダイム
シクイ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ
スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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