白露(平成21年9月7日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

二十四節季「白露」です。
朝に草の上に落ちた露が白く見えだす季節という意味のよ
うです。
秋が本格的に訪れることを意味するのでしょう。

7:30
孟子不動谷到着です。

マンジュシャゲの花が咲き出しました。
例年早く咲く荒糸川沿いに1輪、赤い花が開いています。
2004年 9月 5日
2005年 9月10日
2006年 9月 9日
2007年 9月17日
2008年 9月 8日
2009年 9月 7日
秋の里山を象徴する花は、毎年ほぼ決まった時期に花開
きます。
2007年に少し遅れたほかは、9月第一週にはほぼ咲き
出しています。

毎年マンジュシャゲと同様に花を開くのが、丸嶋さんが天塩
にかけた無農薬そば畑のソバの花です。

今年も咲き出しています。
ソバの花も、マンジュシャゲの花も、9月のお彼岸に満開を
迎えます。

ピックィーッ!!
上空をサシバが鳴きながら舞っています。
久々に不動谷で見るサシバです。
若い個体のようですが、渡り途中の個体なのか、孟子で巣
立った個体なのか、今となっては識別不能です。

こんにゃく座事務室の前にあるクマノミズキの果実が熟れ
て、朝から賑やかに小鳥たちが集まっています。
ヤマガラ、メジロ、ヒヨドリ、キビタキ、コサメビタキ、サメビ
タキがきています。
ヤマガラは仁丹のような黒い果実を1つ咥えると、電線に
移動し、両足の間に挟んでトントンと小突いて食べています。
メジロとヒヨドリは房にとりつき、果実をついばんでいます。
キビタキ、コサメビタキ、サメビタキの3種のひたき類は、房
の前でホヴァリングし、嘴で果実を咥えては電線に戻り呑み
込んでいます。
秋の始まりとともに熟すクマノミズキは、里山の小鳥たちの
貴重な食糧源なのです。

参道沿いのノグルミの樹上に、♂のヤマドリが止まっています。
孟子で樹上にヤマドリを見つけたのは初めてのことです。
高野山の知り合いによると、雪深くなると樹上の果実を求めて
樹に止るようになることは聞いたことがあるのですが、こんな
秋の時期に、孟子のような里山で樹上に止るヤマドリは、珍し
いように思います。

天堤池では、カイツブリがカワイイヒナを連れて泳いでいます。
池面上を、オオヤマトンボ、ギンヤンマ、ネキトンボ、コシアキ
トンボが飛び交っています。

池の北の林道に、まあまあ愛想の良い若い♂のコルリがいま
す。
タッ タタッ
3年前に水路道で撮影したときに覚えたコルリ独特の地鳴き
で鳴きながら、横枝に止っています。
頭はオリーヴ色ですが、背面から尾羽にかけて深い独特のブ
ルーです。
幼鳥羽から、第一回冬羽に換羽しています。
足が太くて長く、ツグミ類独特の体形です。
2年ぶりに記念撮影させてもらいます。

サンコウチョウの幼鳥も元気です。
ギギギッ ギギッ
と濁った声で鳴きながら、樹間をヒラヒラと飛んでいます。

林道沿いの日陰で休むオオアオイトトンボの群れの中に、1頭
のアオイトトンボを見つけます。
本年44種目のトンボです。
アオイトトンボは海沿いや開けた平野部にある溜池には沢山
いますが、孟子のような狭い谷戸では、オオアオイトトンボが優
勢で、あまり多くありません。
オオアオイトトンボが綺麗なメタリックグリーンに成熟するのに
対し、アオイトトンボは青味がかった緑色で、全身に白い粉が
ふきます。

クダマキモドキ、アシグロツユムシ、セスジツユムシ・・・・
ツユムシの仲間たちが成虫になって、姿を見せてくれます。
どれも林縁の樹上や草たけの高い草上にいることの多いキリ
ギリスで、孟子の秋を代表する昆虫類でもあります。

エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、アオマツムシ等のおな
じみのコオロギ類に混じって、マツムシモドキを見つけました。
樹上性のコオロギ類ですが、目立つ声で鳴くわけでも目立つ姿
をしているわけでもないので、分布状況があまりはっきりしない
種類です。

直翅類が成虫になり鳴き出すと、孟子はいよいよ秋本番という
ことになります。

ニワウルシの樹にツツドリの姿はありません。
昨日わんぱく公園で成鳥のカッコウを見かけたので、期待して
いましたが、残念乍ら、「期待はずれ」に終わりました。

水路道には卵から孵化したばかりの、ヤマカガシの幼蛇があ
ちこちで見られます。
水路の中に入った、上陸したての子ガエルを狙っているので
しょう。

中型のヤンマが飛んだので、カトリヤンマだと思って近づくと、
ミルンヤンマのメスでした。
本年45種目のトンボです。
ミルンヤンマは幼虫期を山地の渓流に住むヤンマで、孟子
でも毎年、それほど多くないものの、発生が見られます。

水路沿いの、クリ畑沿いのネザサ群集周辺は、ジャノメチョ
ウの仲間でごった返しています。
コジャノメ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、ク
ロコノマチョウ・・・
地味なチョウですが、いまちょうど新成虫が出ているのです。

ヤマノイモの蔓の間を、ダイミョウセセリが飛んでいます。
セセリチョウ類には珍しく4枚の翅を開いて止るこのチョウは、
ヤマノイモ類の葉が幼虫の食餌なのです。

上空をミサゴが飛んでいます。
秋〜冬にはよく見られる魚食性のタカも、夏にはまったく見
られないのが普通で、今日が久々の出会いです。

犬飼池の堤体には、ヒメノダケ、ツリガネニンジン、ワレモコ
ウの花がどんどん増えています。
いっぽう環境省RDB指定種・スズサイコの花はもう終盤で、
1花しか見つけることができませんでした。

池沿いの林縁にはナニワトンボが止まっています。
これも環境省RDB指定種の、「青くなるアカトンボ」です。

久々のトンボの確認種数が20種を超えます。
チョウの確認種数も30種を超えています。

まだまだ残暑厳しい不動谷ですが、入口の水田では早くも
稲刈りが始まりました。
不動谷の「代表品種」キヌヒカリより2週間早い収穫の品種
を他の方々より1週間前に植えた農家の方が今日、刈り取
りを終えたのでした。

丸嶋さんもそば畑の手入れや、水田沿いのネザサ藪の刈り
取り等、いそがしそうです。
アイちゃんの病気が思わしくないので、今日も犬は連れてい
ません。
いつも吠えられるありもとも寂しいですが、当の丸嶋さんが
一番さみしそうです。

モズの高鳴きが響きます。
来週にはマンジュシャゲの花も増し、渡る風も涼しくなり、文
字通りの「秋本番」になることでしょう。
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<鳥類>
カイツブリ、ミサゴ、トビ、サシバ、ヤマドリ、キジバト、コゲラ
アオゲラ、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モ
ズ、コサメビタキ、サメビタキ、サンコウチョウ、コルリ、イソヒ
ヨドリ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホ
オジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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<両生爬虫類>
ニホンアマガエル
ニホンアカガエル、トノサマガエル、ツチガエル、ヌマガエル
ウシガエル
ニホントカゲ、ニホンカナヘビ
ヤマカガシ
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<昆虫類>
ベニイトトンボ、クロイトトンボ、モノサシトンボ、アオイトトンボ
オオアオイトトンボ、ハグロトンボ、タイワンウチワヤンマ、オ
ニヤンマ、ミルンヤンマ、ヤブヤンマ、ギンヤンマ、オオヤマ
トンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、マユタテアカネ、
ヒメアカネ、リスアカネ、ナニワトンボ、ネキトンボ、コシアキト
ンボ、ウスバキトンボ
オオカマキリ、コカマキリ
ヤマクダマキモドキ、サトクダマキモドキ、セスジツユムシ、ア
シグロツユムシ、ヒメギス、ササキリ、オナガササキリ
カネタタキ、エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、マダラスズ
マツムシモドキ、アオマツムシ
トゲヒシバッタ、ヒシバッタ、クルマバッタ、イボバッタ、フキバ
ッタの一種、コバネイナゴ、ショウリョウバッタ、オンブバッタ
ホソヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ
アメンボ、オオアメンボ、ヒメアメンボ、ヤスマツアメンボ
アブラゼミ、チッチゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ
ツマグロオオヨコバイ、リンゴワタムシ
ムネアカオオアリ、トビイロケアリ、クロヤマアリ、ヒメスズメ
バチ、オオスズメバチ、ホソアシナガバチの一種、キアシナガ
バチ、ハラナガツチバチの一種、キボシトックリバチ、スズ
バチ、キオビベッコウ、ベッコウバチ、ハラナガハキリバチヤ
ドリ
ヤマトアブ、オオハナアブ、ホソヒラタアブ、アメリカミズアブ
ベッコウシリアゲ
モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、アオスジアゲ
ハ、アゲハチョウ、ナガサキアゲハ、キアゲハ、ムラサキシジ
ミ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミ、ダイミョウセセリ、
キマダラセセリ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、コチャバ
ネセセリ、ゴマダラチョウ、コミスジ、ツマグロヒョウモン、キタ
テハ、ルリタテハ、アカタテハ、イシガケチョウ、ヒメウラナミジ
ャノメ、コジャノメ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、クロコノマチョウ
サトキマダラヒカゲ、アケビコノハ、キンモンガ、ホタルガ、ホ
シホウジャク
ナナホシテントウ、クロウリハムシ、ハイイロチョッキリ、シロ
テンハナムグリ、カナブン、ヤマトタマムシ
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<花>
ガマ、コガマ、メヒシバ、オヒシバ、スズキ、エノコログサ、ア
ブラススキ、ヒデリコ、ホタルイ、イヌホタルイ、コゴメガヤツリ
クログワイ、ツユクサ、コナギ、トチカガミ、ミズオオバコ、ツル
ボ、マンジュシャゲ、ヒメドコロ、オニドコロ、カエデドコロ、カラ
ムシ、ヤブマオ、ミズヒキ、ヒナタイノコヅチ、ヒカゲイノコヅチ
センニンソウ、ミズタマソウ、イヌガラシ、キンミズヒキ、ワレ
モコウ、コマツナギ、ヌスビトハギ、ネコハギ、ネムノキ、カタ
バミ、コニシキソウ、オオニシキソウ、ヒメノダケ、スズサイコ
クコ、イヌホオズキ、トウバナ、アキノタムラソウ、トキワハゼ
キツネノマゴ、オオバコ、ヘクソカズラ、スズメウリ、ツリガネ
ニンジン、ヒヨドリバナ、オニタビラコ、カンサイタンポポ、セ
イヨウタンポポ、タカサブロウ、アメリカタカサブロウ、ノコン
ギク、ヨメナ、シラヤマギク、ベニバナボロギク、ダンドボロギ
ク、ヨモギ、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、アキノノゲシ
ハルノノゲシ、ノアザミ、ヒメジョオン、コメナモミ蕾
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