ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。
幡州赤穂四十七士討入の日です。
江戸元禄時代、藩主浅野内匠頭の殿中での吉良上野介
との刃傷沙汰でとりつぶしになった赤穂藩の浪士47名が
吉良邸に討入を果たした日とされています。
その当日江戸(東京)は、しんしんと深い雪が降っていた
とか・・・・
しかるに今年の討入の日は、ここ数日よりは冷え込んで
いるものの、雪なぞ程遠い、生暖かい日で明けました。
今日は朝からエレベーターの定期点検があるので、わん
ぱく公園に詰めています。
月曜定休日といっても、出ないといけない日が結構ありま
す。
公園の管理をさせていただくようになって以来、本当に一
日「休んだ〜」という日はないように思います。
まぁ商売を始めたようなものだから、仕方ないか・・・とも
思います。
それでも、それほど深刻なストレスを溜めこまずに健康で
やれているのも、わんぱく公園が鳥の多い公園だからと
いうのが大きな理由でもあります。
昨日記録したアオバトを入れて、平成21年4月1日以来
わんぱく公園での確認鳥種は101種を数えています。
びっくりするような珍鳥は記録されていませんが、普通の
里山や丘陵地、池で観察できる鳥はほぼ全種確認され
ました。
大池、奥池と2つの大きな池に面しているので、カモの種
類も多く、10種を確認し、毎日最低7種は見られます。
普段林の中でドングリを食っていてなかなか池面には姿
を現さないものの、オシドリも18羽ほど越冬していて、と
きおりその美しい姿を見せてくれます。
9時
自動ドア技術士の方2名をゲート内に招きいれ、必要な鍵
等を渡して点検作業を始めてもらい、ありもとは一人、公
園を歩きます。
大池の特徴は、潜水ガモの個体数が多いことです。
といっても種類はキンクロハジロとホシハジロの2種だけで
すが、とにかく多く見られます。
大池にほぼ隣接し、370号線沿いのたつべ池もキンクロ
ハジロとホシハジロが多いですが、この池は琵琶湖と水質
が似ているとかで、ニゴロブナの養殖を行っているそうです。
大池もそういう水質に近いのか、キンクロハジロとホシハジロ
が多く、結構近くでじっくり観察できます。
水の中の話をすると、大池にはウキゴリというハゼの仲間が
多く住んでいます。
和歌山県RDBに指定される貴重種で、海南市の個体群は海
で回遊する時期を送ることのない、いわゆる「陸封型」のもの
だと考えられているそうで、そういう意味でも貴重とされてい
ます。
植物食をする陸ガモ(マガモ、カルガモ等)と違って、動物食
をする海ガモ(キンクロハジロ、ホシハジロ等)は、池に小型
の魚やエビが多いことがその生息には要求されるでしょうか
ら、そういう意味でも大池は良い環境ということができるのか
もしれません。
今日も潜水を繰り返しながら、水の中の小動物を捕食する
美しいホシハジロの姿を、何枚かフィルムに収めることがで
きました。
わんぱくの森にさしかかります。
メジロの群れに出会います。
メジロは和歌山の県鳥で、わんぱく公園にもたくさんいるの
ですが、この晩秋から冬に移ろう時期のメジロは、面白い
ので観察に夢中になります。
何が面白いかというと「食」が面白いのです。
温帯地域である日本には、準然たる果実食の鳥は非常に
少ないです。
ツグミやジョウビタキの果実を食べますが、これは日本に冬
には活動する昆虫が少ないための「補助餌」であり、その果
実の食べ方が、葉ッパの裏の昆虫を捕える時の嘴や体の使
い方を代用しているところでわかります。
しかしメジロとヒヨドリは、昆虫食もするものの、果実を食べる
のがとても専門的だと言われています。
たとえばヒヨドリはスズメ目の小鳥の中で最も停止飛行(ホヴ
ァリング)が得意です。
これは中層に複雑になった果実を咥え取るのに進化した結果
で、果実の多い熱帯ジャングルに住む果実専門食の鳥に共通
した習性だそうです。
メジロも森になる様々な果実を食べます。
秋から冬にかけて、春夏に昆虫食をしていたメジロが、果実食
に替っていくのを観察する楽しさを、孟子での鳥見で発見して
以来、ありもとのフォトストックの中に、メジロの写真が一気に
増加しました。
メジロは面白い鳥です。
ウグイスやオオルリを飼育(今はしてはいけませんが)すると、
陽ざしが春けいてくると♂ならみんな囀りを始めます。
冬鳥であるカシラダカなどを飼っても(これも飼ってはいけま
せん)、桜が咲き出すと夏羽に換羽して、ヒバリに似た囀りを
はじめます。
しかしメジロはふつうに飼育しても、なかなか大きな声でさえ
ずってはくれません。
しかし春に山に行くと、あそこでもここでも、メジロが元気でさ
えずっています。
少年時代とても不思議に思い、メジロ飼育のヴェテランのお
っちゃんに聞くと、餌を変えないと囀らないと教えられました。
野鳥の餌である「すりえ」は、豆や米などの穀類の粉と、魚粉
とを配合して作られています。
それが魚粉の配合割合により「2分餌」「4分餌」「6分餌」とわ
かれています。
一般的な常識として「2分餌」は「メジロ用」、「4分餌」は「ホオ
ジロ用」、「6分餌」は「ウグイス用」とされていました。
ありもとはほんの子どもであったので、それを「鵜のみ」にして
メジロには1年じゅう「2分餌」を与えていました。
そうするとメジロは、春になっても「ぐぜり鳴き」はするものの、
「囀り」はしないのです。
じょうずにメジロを鳴かせるヴェテランのおっちゃんは、春にな
るにつれて、魚粉の配合を上げていくそうです。
そうすると、メジロは大きな声を張り上げて囀るのだそうです。
こういうことから、メジロにとって、動物食と植物食の割合が、
生殖ホルモンの分泌に大きな影響を与えていると考えたあり
もとは、孟子でメジロの餌に注目するようになったのでした。
・・・ということで、今日もメジロの食べ物を追いかけます。
ウメモドキの果実、ヒサカキの果実、カナメモチの果実を食べ
ています。
メジロは雑木林を構成するどちらかというと亜高木のつける
液果を好んで食べる傾向がつよいように思います。
高い樹木となるクロガネモチやソヨゴの果実を食べているの
を見たことがあるもののその回数は少なく、中層を形成する
樹木の液果を好む傾向があるように思えてなりません。
ハゼやヌルデの実も好きです。
ハゼの実は、和ろうそくの原料になるということで脂肪分が
多いのと、皮の塩分が多いので普段あまり果実食をしない
モズやアオゲラなども好んで食べます。
メジロも塩分を補給するためか。これらの実にもよく来ます。
コナラ、クヌギの樹液を吸います。
ありもとが観察した限りでは、メジロがコナラの樹液を吸う
のは寒くなってからだけです。
コナラ、クヌギの樹液といえば、夏にはカブトムシ、クワガタ
ムシ、スズメバチ、オオムラサキ等、昆虫のレストランになり
ます。
また、これらの樹木の樹液生成期は春から夏で、冬にはあ
まり樹液を出しません。
コナラ、クヌギで黒炭を焼く炭焼きさんが、落ち葉が落ちてか
ら炭材を伐るのも、樹液生成期(成長期)を避けて伐るため
にほかなりません。
なのにメジロは、樹液生成期には一切樹液を吸わず、寒く
なってはじめて樹液を舐めます。
アセスの仕事をしていた頃、植物専門の調査員の方に、冬
に出る樹液と夏に出る樹液では成分が違うのでは?といわ
れたことがあります。
確かにメジロは冬に樹液を吸う場所と、夏に昆虫が樹液に
集まる場所は微妙に違います。
でもありもとの頭からは、子どものころにメジロを囀らせる
のに苦労した時の記憶が、はなれないのです。
繁殖期のメジロはあまり植物質のものに興味を示さないの
ではないか?
メジロが「樹液を吸いたくなる」のは、果実食に替る晩秋に
なってからなのではないのか?ということです。
「聴き耳頭巾」でも無い限り、永遠に答えが出ないことなのか
もしれませんが、観察を続けたいと思います。
樹液といえば今年わんぱく公園で、ありもととして初めての「
発見」がありました。
9月に入ると、わんぱくの森のメジロは、ハゼの樹液を盛んに
なめているのでした。
孟子では見たことがない現象だったので、注意して観察すると
ともに写真も沢山撮りました。
しかしメジロがハゼの樹液にきたのは9月だけで、10月に入
ると全く樹液には来なくなり替わりに果実を食べはじめました。
このへんの答えは、もしかしたら「うるり職人」の方が知っている
かもしれません。。。
そんなことを考えながらメジロを観察していると、今年わんぱく
公園のメジロでちょっとおかしな現象があります。
エノキやケヤキにものすごく執着するのです。
これも孟子ではあまり気付かなかったことです。
孟子にはエノキもケヤキも多いないからなのかもしれませんが
、果実の熟期も終わり、さして餌があるとも思えないエノキやケ
ヤキにヤケにメジロが来るのです。
メジロだけでなく、シジュウカラやエナガもとりついています。
いつもは朝ゲートを開けるときと夕方ゲートを閉めるときにしか
鳥の観察はできないので、今日は腰をおちつけてケヤキにきた
メジロを観察してみます。
メジロたちは、みな樹の枝の分かれ目に執着しています。
Y字型になった枝の分かれ目に嘴を突っ込んでいます。
最初は樹液を吸っているのかと思い双眼鏡で観察してみると、
どうやら違うようです。
枝の分かれ目にいる小さな昆虫をついばんでいるようです。
嘴の使い方、そして咥えたものの呑みこみ方が、クヌギや
コナラ、ハゼの樹液を舐めているときと明らかに違います。
樹液を舐めるときは、水を飲むようにやや上を向き、水分
を喉に流し込むしぐさをしますが、ケヤキのときはそのしぐさ
を一切しないのです。
まだこの時期、ケヤキの樹に昆虫がついているのです。
今年の冬は暖かいです。
南紀串本大島では、12月に入ってもモンキアゲハが飛ん
でいるそうです。
先日御坊市の知り合いが、畑で草刈をしていて、ショウリョ
ウバッタを見てびっくりしたと教えてくれました。
わんぱく公園でもまだ、カネタタキが鳴いています。
成虫越冬でない昆虫の成虫が「死に切れない」暖かさなので
しょう。
メジロがこの時期エノキやケヤキに執着するのも、そのため
なのかもしれませんが、これもわんぱく公園で今後地道にデ
ータをとってみないとわからないことです。
ごく普通の鳥に、いろいろ「課題」を見つけて観察することは
とても興味深いことです。
これは孟子で「学んだ」ことですが、わんぱく公園でも、続け
たいと思います。
2日前から、カワウがディスプレーダンスを始めました。
今まで真っ黒だった成鳥が、すっかり白髪頭になっています。
冬の間、いっさいよりつかなかった営巣場所に一気に飛来し、
求愛ダンスを踊り始めています。
カワウにとってはもう「春」なのか??
それともこれも暖冬異変なのか???
これまでカワウの繁殖を観察したことのないありもとにとって
は、知る由もないことです。
またひとつ、わんぱくでの「課題」を見つけました。
時計に目を落とすと11時・・・
そろそろ定期点検が終わる時間です。。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<鳥類>
カイツブリ、カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ
ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ
キジバト、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキ
レイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ルリビタキ、ジョウビタキ
シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウ
カラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル
ハシボソガラス、ハシボソガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@