ツグミの動き(平成22年1月3日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

昨日一気に孟子にツグミが入って来ました。

さきほど野鳥の会のMLで、煙樹ケ浜で水場の観察をしてい
る会員の方が、カラアカハラという日本では滅多に記録され
ないツグミ科の渡り鳥を撮影されていました。

昨日のメールの最後にも書いたとおり、渡り鳥に関しては、
孟子の狭い谷での記録も「コップの中の嵐」ではないのです。
自分は継続観察できるフィールドを1ケ所定めてそこで地道
にデータをとることで、全国的な渡り鳥の動向がわかることも
あります。

特にツグミとか、シロハラとか、ジョウビタキとかというような、
全国的に普遍的に渡来する普通の渡り鳥のデータをフィール
ドを定めて記録していくことは、自分を取り巻く自然環境を見
つめるのに、とても効果的な観察方法ということができます。

孟子でも昨日を境に、ツグミとシロハラの個体数が一気に増
加しました。
孟子でカラアカハラを記録するのは難しいでしょうが、今日の
孟子の状況を見ると、煙樹ケ浜にカラアカハラが入っても全く
不思議でないと感じます。

それほど今日は朝から孟子の水田に、ツグミが降りていまし
た。

今日は1月3日、孟子不動の護摩焚きの日です。
ビオトープ孟子会員一同、参詣者にごあいさつをする日でも
あります。
1日、2日と、雑木林で小鳥を追うありもとと、毎朝、ブタに餌
をやりにくる北原さん以外、ほとんど人影を見なかった孟子
不動谷が、一気に賑やかになりました。

グワララ グワララ
ハシブトガラスの警戒声が聞こえます。
上空を見上げると、オオタカの成鳥が2羽のカラスに追われ
ています。

孟子参詣道は、次々に参詣するお客様の波が続きます。

そんな中でにぎやかになったツグミの群れは、水田の中でせ
っせと餌を探しています。

これが新春の当たり前の孟子里山の姿です。

さきほど2羽のカラスに追われたオオタカも決して「珍鳥」では
ありません。
「環境省種の保存法指定特殊鳥類」などという重たい冠をか
ぶらされている彼等も、孟子ではごく普通の「隣人」なのです。

山案山子につくと、ほぼ同時にやってきた坂本さんと一緒に、
焚き火を作ります。
昨日から一気に暖かくなり、昨日はムラサキシジミまで舞った
孟子ですが、やはりこの時期は焚き火の火は参詣者にとって
一番の「御馳走」です。

炭がまの傍らには、「菊炭」を焼くために住野さんが伐採してき
た、クヌギの材がところせましと並んでいます。
これを焚き火に使ったら住野さんに叱られるので、その傍らに
積まれたスギの廃材を一輪車に乗せて運びます。

グワララ グワララ
また上空でハシブトガラスが怒っています。

今度は♀のハイタカを追っています。

この時期の孟子は、小鳥やアオバトなど、ハイタカ属のタカたち
の大好物の鳥類が多いので、彼等の忙しくタンティングのため
に樹間を飛び交っています。

そこをいたずらカラスに見つかると、このように「モビング」にあ
ってしまうのです。

昨日ルリビタキを襲ったらしいツミ同様、森の中を忍者のように
飛び交う彼等を、観察できるのは、カラスのモビングのおかげと
も言えなくもないので、このときばかりはいたずらカラスにお礼を
言わなければなりません。

二人して山案山子の前に、盛大な焚き火を作りました。

焚き火が燃え盛るころから、スタッフたちが勢ぞろいします。
それぞれめいめいに、参詣者に御挨拶をします。

ありもとは、山案山子に入りたいと言ってくれたご家族と一緒に、
山案山子の展示を見た後、とんぼ池周辺で冬越ししている小動
物の観察を行います。

向陽中学環境科1年の子がいて、輝くような熱心な視線で、板の
下でメスを待つ♂のニホンアカガエルや、エノキ樹下の葉の裏で
越冬するゴマダラチョウ幼虫を見ています。

「ニホンアカガエルは難しいやろうけど、日前宮にはエノキの樹が
あるんで、たぶんゴマダラチョウの幼虫はいてると思うで。友達と
一緒に探してみな」
そう語りかけると、楽しそうに頷いていました。

里山の動物は孟子の来ないと観察できない。

孟子に自然観察に来る方々はそういう風に持っているキライがあ
りますが、決してそうではありません。
里山というのは、どこにでもある環境・・・
じっくりさがせば、どこにでも里山の生き物はいるのです。
最近孟子に来る子どもたちに、ありもとが送るメッセージは、いつ
もそれです。

自分が通いやすい場所にフィールドを持ち、しっかり自分の目で自
然観察をする。
そんな人(子ども)が和歌山に増えないと、本当の意味での「生物
多様性」の意味も、「生物多様性」が人間に与えてくれる本当の「恩
恵」も、理解できる筈がないのです。

特に向陽中学環境科に学ぶような子には、それを理解してほしいと
感じます。

スタッフの皆さんと楽しい昼食タイムを過ごし、時計に目を落とすと
14時・・・

そろそろわんぱく公園に移動です。

キャットフードが底をついているので、途中にホームセンターに寄ってキャ
ットフードを購入します。

公園につきまず、ネコに餌を与え、湯たんぽを持って事務所にあが
ります。
年末年始ずっとこのパターンです。

その後軍手をはめ、プロミナを持って、大池に向かいます。

わんぱく公園もツグミであふれています。
うららか山のウメの樹に、何羽もとまっています。
上空を20〜30羽の群れになって飛んでいるものもいます。

煙樹ケ浜も、孟子も、わんぱく公園も・・・
ツグミの状況は一緒です。

マガモ103。昨日より倍増しています。
カルガモ2、コガモ29、ヒドリガモ6
ホシハジロ32、キンクロハジロ84・・・・
結局カモ類は6種256羽でした。

今日は時間が遅いので、塒の戻ったカワウが多く、242羽と最近で
は最多の羽数です。

明日は県立自然博物館の七草採取の行事です。
また普段出会えない懐かしい「仲間」たちと出会えそうで今から楽し
みでなりません。

孟子、わんぱく公園、博物館・・・・
大好きな動物たちと、大好きな仲間たちと・・・・
あっという間に年末年始も、過ぎてゆきます。
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<孟子鳥類>
カイツブリ、オオタカ、ハイタカ、キジバト、コゲラ、キセキレイ、ヒヨド
リ、モズ、ルリビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ
シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル、スズメ
ハシボソガラス、ハシブトガラス
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<わんぱく公園鳥類>
カワウ 242
マガモ 103
カルガモ 2
コガモ 29
ヒドリガモ 6
ホシハジロ 32
キンクロハジロ 84
カイツブリ、アオサギ、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ
ツグミ、シロハラ、ウグイス、メジロ、アオジ、クロジ、カワラヒワ
ハシボソガラス、ハシブトガラス
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