オオルリ調査(平成22年5月17日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

ここ数日の冷え込みが嘘のように、孟子不動谷は朝から
好天で暖かい一日が明けました。
7:00 孟子不動谷到着です。

先週川久保君が見つけたオオルリの巣が古巣ではないこ
とと、もう1個新たに巣を発見したと、入江さんから連絡を
もらったので、今日はオオルリの調査をしようと思います。

未来遺産の調査対象はキビタキですが、オオルリも近縁の
小鳥であり、和歌山県RDB指定種でもあります。
また巣箱を架設すれば利用する可能性もあるので、今回の
未来遺産の調査対象に含めようと思っています。

そういうことで、1つ確かめてみたいことがあるのです。
オオルリの♂♀は全く違う色の羽衣をしています。
鮮やかな構造色の瑠璃色の♂に比べて、♀は地味な褐色
です。
ですから抱卵はもっぱら♀が行います。

ここまでは良いのですが、抱卵中の♀の餌についてです。
♂が餌を運ぶのか?それとも♀が定期的に巣を離れて餌を
とりに行くのか?それを確かめたいと思います。
朝から用意したライヴカメラを巣の前に設置して、今日1日
放置したいと思います。
はたして巣の中には4個の卵が、整然と並んでいました。

カメラを設置したあと天堤池の奥の森に向かいます。

天堤池では、オオヤマトンボとトラフトンボが飛んでいます。
トラフトンボは今回の改定で和歌山県RDBに指定対象の種
で、先週南先生が確認に来られたのに残念ながら確認でき
ずに帰られた種です。
もう1週間おそかったら・・・悔やまれます。

相変わらずクロツグミの朗々とした声が響いています。
それに混じって・・・

ググッ チッチョーホイ ホイホイホイ・・・
サンコウチョウが鳴いています。

近いです。

しばらく立ち止っていると、尾バネの短い若い♂が目の前
のコナラの横枝にとまりました。

今年初めてのサンコウチョウとのじっくりとした「対面」です。
天堤池南谷に長い尾の成鳥がいるのですが、その周辺に
こと若い個体がうろうろしているのは知っていたのですが、
きっちりと姿を確認するのは初めてのことです。

♂と同じ声で鳴く地味な♀も確認して、ここでの繁殖の可能
性を示唆するデータがとれました。

ケキョケキョケキョケキョ・・・
一斉にウグイスが谷渡鳴きをはじめます。
上空低くを、♂のハチクマが舞っています。
500mmレンズに入れると、目の色まで見える近さです。
渡ってきたばかりのハチクマの♂はこのように低空をテリト
リを確認するかのように飛翔する習性があるのです。

サンショウクイが叫び声をあげながら上空を過ぎて行きます。

天堤池の池面では、カイツブリが気持ちよさげに浮かんでい
ます。

今度は川久保君の見つけたオオルリの巣を確認にいきます。
こちらの巣では♀が一心に伏せて抱卵を開始しています。
当然ながら卵の個数はわかりません。

抱卵する姿を記念撮影させてもらうだけで、退散します。

オオルリがめっきり囀らなくなりました。
オオルリという鳥は、♀が抱卵すると一気に囀りが少なくなり
ます。
抱卵中も、育雛中も鳴くキビタキや、抱卵交代の際、♂♀で
囀り交わすサンコウチョウとちがって、オオルリは♀が抱卵す
ると、めっきり囀らなくなります。
これはもしかしたら、孟子だけの傾向なのかもしれませんが、
興味深い習性だとありもとは思っています。

ホオジロのヒナが巣立っています。
1cmほどの尾羽の巣立ったばかりのヒナが、クリの横枝に
止まってキョトンとしています。

ホオジロやヤマガラ、シジュウカラなどの留鳥が巣立ち、か
わりにオオルリ等の夏鳥が抱卵を開始する・・・
孟子の鳥暦も、順調に夏に向かっています。

とんぼ池のトンボを観察します。
先週に引き続きタベサナエがテリトリを張り、クロスジギンヤン
マの♀が産卵しています。

ショウジョウトンボとクロイトトンボが次々と羽化しています。

また1年ぶりにヨツボシトンボが飛来しました。
これも今回のRDB対象種です。
これも南先生に確認していただきたかったものです。
ガマの穂の上に止まったところを記念撮影させてもらいます。

上空を羽化したばかりのサラサヤンマが飛んでいます。
5月GWころに羽化を開始する小型の湿地性のヤンマです。

トンボの種類も一気に15種類に乗り、本格的なトンボの季節
に突入です。

一通りのデータをとり終えて時計に目を落とすと11時を回って
います。

急いでバイクにまたがり、一路わんぱく公園に向かいます。

先週から毎週月曜日にわんぱく公園に海南高校の生徒たちが
やってきます。

SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の取り組みで、公園内
で動物の調査を行う子たちが数人組織されているのです。

今日はカワウのコロニーのカウント調査をするグループ4名が
やってくることになっていました。

一足先に公園に到着し、なかなか平日ではできない場所の清掃
をしていると4人の生徒たちが到着します。

事務所から20倍望遠鏡とカウンターを持ちだし、コロニーのカウ
ントに向かいます。

ありもとは4人を見送り、そのまま汗だくで掃除をします。
風の子館のトルネード下の踊り場に飛び移り、掃除機をかけます。
ここは毎週1回掃除しないと、すぐにゴミだらけになるのですが、開
園日にはなかなかここの掃除まで手が回らないのです。

ですから彼らが土曜日に来るので午後から公園に行く用事ができ
て、ちょっと「有り難く」もあります。

16時
カウントを終えた生徒たちが戻ってきました。

「今日はありがとうございました!!来週もお願いします!!」
元気な声を残して帰って行きます。

ありもともすぐに風の子館に施錠し、孟子に向かいます。

オオルリのカメラを回収に行くのです。

カメラを回収してフィルムを現像すると、巣に止まった♀の姿が5枚
写っていました。
オオルリは♂が♀に餌を運ぶのではなく、♀が定期的に巣を離れ
て餌を食べるようです。

他愛もないことですが、無人カメラを仕掛けて初めて確認できた事
実です。

今度はヒナが孵化したら仕掛けようと思います。

それまでは2つの巣は、そっとしておきましょう。
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<鳥類>
カイツブリ、アオサギ、トビ、ハチクマ、キジバト、ホトトギス、コゲラ
アオゲラ、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、クロツグミ
イソヒヨドリ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオ
ルリ、サンコウチョウ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ
ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガ
ラス
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