数少ない水鳥(平成22年7月20日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

物凄い色の青空です。
5:30 孟子不動谷到着です。今日も暑くなりそうです。

一号池でアオヤンマの羽化殻を見つけました。
未成熟の成虫が止まっていないのは残念ですが、今回改訂
中の和歌山県レッドリストで絶滅危惧Ⅰ類に指定されつつあ
る希少なトンボが孟子で羽化していることが確認できたのは
何よりも喜ばしいことです。

高空をハネビロエゾトンボが飛んでいます。
エゾトンボの仲間は、未成熟の時期、高空を飛びまわる習性
があります。
あの池の上を飛びまわるトラフトンボでさえ、早春未成熟期
は高い空を翔けています。

アカトンボの羽化が増えてきました。
とんぼ池では、マユタテアカネ、ヒメアカネ、リスアカネが羽化
しています。
これで孟子の今年通算トンボ種数が37種になりました。

今日もマルタンヤンマの♀が、盛んに産卵しています。
きみひろ池では、ギンヤンマに交じって、クロスジギンヤンマ
が占有飛翔しています。
この美しいヤンマも、そろそろ成虫期はクライマックスです。

イトトンボがまだ水場に出ていないので、ここでトンボのモニ
タリングを一旦止めて、鳥のデータをとりに天堤池に向かい
ます。

独り立ちしたキビタキの幼鳥が、メジロの幼鳥の群れに1羽
混じっています。
あれほど賑やかに囀っていたのに、もう全く囀りが聞けませ
ん。

ドドドドド・・・
森の中から、ヤマドリのドラミングが響きます。
この山地性のキジ類も、和歌山の貴重種の仲間入りをしそ
うです。

今日は天堤池に営巣した、カイツブリをしばらく観察してみま
す。
天堤池には水草の繁茂がないので、水草に巣を定着させる
カイツブリは、水面にかぶった枝先に巣を定位させるのが普
通です。
今回も垂れ下がったコナラの枝先に巣を定位しています。

ありもとの気配を感じて、抱卵中の♀が水に潜ります。
巣を俯瞰できる場所がちょうど樹でブラインドになっているの
で、しばらくそこに座って観察します。

チッチョーホイ ホイホイホイ
森の奥からサンコウチョウの声が響きます。
上空をキジバトとアオバトが通過してゆきます。

10数分ほど待ったでしょうか。
カイツブリお母さんが戻ってきました。
巣を離れるとき、卵の上にかけた水草を嘴で丹念に取り除
き、よっこらしょっと卵の上に座ります。
卵の数はちょっと数えられませんでしたが、いくつかの卵が
見えました。

ここのカイツブリはどういうわけか物凄く警戒心が強く、一度
潜るとなかなか出てきません。
やはり観察しているありもとが気になるようで、巣の上でそわ
そわしているのがわかります。

巣のまわりが若干明るみ、なんとかシャッターが下りるように
なったので2カットほど撮影すると、そのシャッター音に敏感に
反応して、あわてて水草を卵にかけて、潜水してしまいました。

孟子で繁殖する数少ない水鳥であるカイツブリを、ゆっくり観
察することはあまりないのですが、きょうはじっくり観察できま
した。

あまり苛めて巣を放棄させてもカワイソウなので、そろそろ腰
を上げ、鶴者峠まで歩きます。

鶴者峠で今年久々にヤブサメに出会います。
今年は春先に1度囀りを聞いただけで、その後音信不通だっ
たのですが、やはりここで繁殖したようです。
なぜ今年は殆ど囀らなかったのか?不思議です。

7時を過ぎるころから、ホトトギスが鳴きだしました。
普段は夜中でもうるさく鳴く鳥なのに、今日は静かでした。

サンショウクイがヒリヒリ鳴きながら上空を飛び交います。
この鳥は繁殖が終わっても賑やかです。
このヒリヒリという声は囀りと地鳴きを兼ねるのでしょうか?

太陽が高くなるにつれ、どんどん暑くなります。
ただ歩いているだけで、汗がにじんできます。

天堤池では、次々とトンボが水浴びしていきます。
ヤブヤンマ、ギンヤンマ、オオヤマトンボ・・・
大型のトンボたちが、池に飛び込み、気持ち良さそうに水浴
びしています。

そろそろイトトンボが産卵する時間なので、とんぼ池に向か
います。

とんぼ池では、カエルたちがどんどん上陸しています。
ニホンアカガエルがまだ上陸しているほか、ニホンアマガエ
ル、シュレーゲルアオガエル、ヌマガエル、ツチガエル、トノ
サマガエルが上陸しています。

水田まわりのカエルはかなり危険な状況になりつつあるよう
で、今回の改訂でニホンアカガエルは絶滅危惧Ⅰ類になり、
ツチガエルまで貴重種リストに加わりました。

孟子不動谷のカエルの状態が、今の時代では「異常」にな
ってきていることが窺われます。
未来遺産の指定とともに、今後このカエルの楽園を保全す
るようにしなければと、心から思います。

イトトンボもどんどん水場に現れます。
クロイトトンボ、キイトトンボ、ベニイトトンボ・・・
それぞれにタンデム状態で水場に現れ、水草に産卵してい
きます。

記録的な猛暑の中、色とりどりのイトトンボの産卵は、とんぼ
池を涼しげに彩っています。

今週23日は未来遺産調査です。

また賑やかな声が、孟子に戻ってきます。
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<鳥類>
カイツブリ、コジュケイ、ヤマドリ、キジバト、ホトトギス、カワ
セミ、コゲラ、アオゲラ、セグロセキレイ、サンショウクイ、ヒ
ヨドリ、キビタキ、サンコウチョウ、ヤブサメ、ウグイス、エナ
ガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ
スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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<トンボ類>
キイトトンボ、ベニイトトンボ、クロイトトンボ、モノサシトンボ
ハグロトンボ、オニヤンマ、アオヤンマ、ヤブヤンマ、マルタ
ンヤンマ、クロスジギンヤンマ、ギンヤンマ、ハネビロエゾト
ンボ、オオヤマトンボ、ハラビロトンボ、シオカラトンボ、オオ
シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、マユタテアカネ、ヒメアカ
ネ、リスアカネ、コシアキトンボ、ウスバキトンボ、チョウトンボ
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