ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。
今日は6:30に孟子に到着です。
今日は田辺市を中心に、和歌山県(紀伊半島)の基本的原生
植生である、照葉樹林の復活を目指し、ありもとの自然の「師
匠」である故・後藤 伸先生が興された「いちいがしの会」の方
方をお迎えすることになっています。
みなさんの来場は10時ですが、ありもとは早目に孟子に来て
野鳥を中心にデータを取ります。
天堤池の奥に14羽のオシドリが浮かんでいます。
今年は本当にオシドリの渡来が早いです。
わんぱく公園でも、20羽前後の群れが内池の奥に渡来してい
ます。
「水辺の鳥」のイメージの強いカモ類にあって、沢を登り、森に
入り、ドングリを丸呑みにして食べる森林性の鳥です。
休憩時には水面で浮かんでいますが、すぐに林の奥に飛び込
んでしまいます。
♂は目を見張るばかりのオレンジの派手な羽衣をした綺麗な
鳥ですが、その行動習性は、「森の忍者」そのものです。
今日は孟子の谷にある3枚の池を回り、どの程度飛来してい
るのか調べることにします。
ケケーケケケ・・・ ケケーケケケ・・・
語尾の上がる独特の節回しで、那賀寺の山塊の尾根の森の
中で、ツミが鳴いています。
♀はキジバト大、♂はヒヨドリ大の小さなタカの仲間で、森林
の中を高速で飛び回り小型の鳥類を捕食しています。
今まさにヒヨドリの渡りの最盛期で、今日は朝からシロハラの
群れも上空を飛んでいるので、ツミにとっては絶好のハンティ
ングチャンスなのでしょう。
ジェー ジェジェジェー
漸く熟し始めたアラカシの葉影から、カケスが空中に飛び出し
ます。
美しいコバルトブルーの雨覆羽を見せながら、目の前をゆっく
り、ゆっくりと飛びすぎます。
この鳥もオシドリ同様山地のドングリ食いで、今年は山地のド
ングリが凶作なようなので、孟子のような低い山に早目に降り
て来ているようです。
ドドドド・・・
地響きのようなヤマドリのホロ打ちの音を聞きながら、薄暗い
山道を歩き、不動池に到着します。
池面を覗くと、4羽のオシドリが浮かんでいます。
これで19羽です。
オーアーオーアオーアーオアオー
不動池でオシドリを確認して山道を引き返していると、暗いツブ
ラジイの葉影から、アオバトの独特の鳴き声がしています。
和歌山県のシダ植物の第一人者で、元和歌山県職員の谷関
俊男さんが、アオバトがアラカシの実を食べるのを見たと教えて
くれたことがありましたが、この美しい緑色のハトも、今年のドン
グリの不作に、被害を被っているのでしょう。
先週に引き続き、キビタキの個体数が非常に多いです。
なかなか姿を見せてはくれませんが、そこここの葉影から、クリ
リ、クリリという独特の声が響いています。
先週まで2週間愛想良く出てきてくれた、メボソムシクイが今日
は抜けてしまっています。
犬飼池にもオシドリが5羽いました。
これで孟子不動谷で24羽のオシドリを確認したことになります。
いちいがしの会の一行を迎えるのに、まだ少し時間があるので
、口を開きかけたミツバアケビの実の前で、実に来るメジロの観
察をすることにします。
犬飼池から森さん宅前に降りる山道沿いに、ミツバアケビが鈴な
りになっています。
そのミツバアケビの実に、メジロが次々に飛来し、美味しそうに実
をついばみます。
細長い嘴を上手に使って、ヌルヌルの白い果肉のついた、黒い種
を咥えます。
ちょうどイカルやシメがムクノキの果実をクルクル嘴に挟んで回す
ように、果肉のついた種子を嘴の中でまわし、まわりに付いた甘い
果肉を食べて、種子をポイと捨ててしまいます。
メジロは種子を飲み込むことはしないようで、種子を運んでもらい
たいアケビにとっては、メジロはあまりありがたいお客様ではない
のかもしれません。
ミツバアケビに来るメジロを観察していると、入口駐車場が賑やか
になってきました。
いよいよ「いちいがしの会」の面々の来場です。
竹中会長夫妻を筆頭に、「創始者」の後藤先生の愛息・後藤岳志
先生一家、水生昆虫が専門ながらシダ植物にも造詣の深い弓場
さん・・・
ありもとにとっては、とても久しぶりにお会いする懐かしい方々との
再会でとても嬉しいです。
総勢40名。
大型バス仕立てでの来場です。
皆さんにご挨拶を済ませ、まずは犬飼池に登ります。
孟子の位置する北野上地区の稲作の特徴は溜池を使った農法で
す。
北野上地区を流れる貴志川が川床が低く、水の活用が困難なた
めに100を超える溜池が浚渫されています。
ですから孟子周辺の里山の構成要素で、溜池というのがその代表
ともいえるのです。
稲作水系の指標であるトンボ類で言うと、南紀地方は小河川や湿
地がトンボの分布の中心であるのに対し、北野上地区では溜池が
トンボの分布の中心です。
そのことは、南紀を特徴付けるトンボはキイロサナエ、コサナエと
いった湿地、河川のトンボであるのに対し、紀北を特徴付けるのは
ナニワトンボ、ベニイトトンボ、アオヤンマ等の溜池由来の種となり
ます。
定期的な草刈りによって形成された堤体の草地で、ヒメノダケ、ワレ
モコウ、ツリガネニンジン、イヌコウジュ、ヨメナ、ノコンギク等の草本
を観察します。
犬飼池の観察を終えると、参道を歩きます。
竹中会長は今キノコに凝っているということで、テングタケ、コタマゴ
テングタケ、カラカサタケ、ノウタケ、ドクツルタケ、キイチチタケ等の
キノコを採取しては、持参した袋に入れていきます。
弓場さんは炊き込みご飯にするとかで、ヤマノイモのムカゴを集め
ています。
草花が好きで、道々ノコンギク、イナカギク、シラヤマギク、ヤマハッ
カ、アキノタムラソウ、サワヒヨドリ等を熱心に撮影するご婦人がます。
それぞれの興味の範囲で、熊野も森よりずっと人に「荒され」、落葉
広葉樹林となっている孟子の里山を満喫しています。
森にある樹を通じて自然を愛でる・・・
いちいがしの会の方々こそが、後藤伸先生の残した、最大の素晴ら
しき「遺産」といえるのかもしれません。
久々に迎えた南紀からのお客様が、孟子の里山に、熊野の山のニ
オイを運んできてくれた一日でした。
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<鳥類>
カイツブリ、アオサギ、オシドリ、トビ、ツミ、ヤマドリ、キジバト、アオ
バト、カワセミ、コゲラ、アオゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ
ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、キビタキ、シロハラ、ウグイス、エナガ
ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、シメ、イカル
スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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